【KPIの検討】フォロワー、RT・・・。間接的な効果はどう見る?
Retweetによる間接効果を測定するため、まず間接的なビューを下記のように定義した。
TLビュー = つぶやいた時点の自分の延べフォロワー数 + Retweet時のRetweet者の延べフォロワー数
これは、“タイムラインにつぶやきが届いた延べ人数”を意味する。フォロワーには重複が含まれるため、ページビューと同様の単純な合算になる。
リストや検索による閲覧やWebへの二次掲載などは含まない
多くのフォロワーを持つユーザーにRetweetされると、このTLビューが大きく増えることになる

BIGLOBEが6月に開始したレポーティングサービス「WebMil」やユーザーローカルの「TwiTraq」でも、このような指標が採用されている。
他人のRetweetによる間接的な影響力は?
このTLビューを増やすためには、自分のフォロワー数を増やすだけでは不十分だ。相互フォローによりフォロワー数を増やすタイプのユーザーが多い場合、タイムラインは無視され、リストや検索による閲覧が中心になると想像できる。
このため、話題性のあるつぶやきをタイミングよく発信することで、Retweet回数を増やしたい。ただし、同じRetweetでもフォロワー数により影響力が異なる。強い影響力を持つユーザーにフォローされ、Retweetされることで、大きな波を起こす必要がある。
そこで、他人のRetweetによる間接的な影響力の強さを比率で表す指標を定義した。
直接リーチ率 = つぶやき時の延べフォロワー数 ÷ (つぶやき時の延べフォロワー数 + Retweet者の延べフォロワー数合計)
この指標は、“リーチにおける直接的な影響力の強さ”を表す。例えば【図2】では、自分の直接フォロワー数が4人、Retweetした人のフォロワー数が6人なので、4 ÷ (4 + 6) = 40%が直接リーチ率になる。
50%を下回る場合、“他人のRetweetによって自分のフォロワーよりも多くの人にリーチできた”ということを意味する。例えば、「品川シーサイドなう」のような独り言はRetweetされないので自分のつぶやきのみリーチし、直接リーチ率が100%になる。「夫を逆さまにすると¥になる」のような意外性のあるネタは、何度もRetweetされるため、5%などに減っていく。
この値は小さい方が望ましい。つぶやき内容の話題性を測る指標として使うことにする。
間接効果を加味したCTR
最後に、このTLビューをつぶやき中のリンクの効果に応用した。
TLクリック率 = リンクのクリック訪問数 ÷ (Tweet時のフォロワー数 + Retweet者のフォロワー数合計)
クリック数をTLビューで割ることで、“Retweetによる間接効果を加味したCTR”を算出している。

なお、Twitterの場合、いろいろな端末やアプリが存在するため、リンク先サイトで取得するリファラではTwitterのクリックを判別できない。そのため、URLに計測用のパラメータをつけて短縮URLサービスを利用するのが有効だ。アクセス解析と連動させれば、クリック数に加えてコンバージョン(売上)も計測できるようになる。
話題性のあるつぶやきはよくRetweetされるのでTLビューが増えるが、必ずしもクリック数や売上が増えるとは限らない。Retweetやリプライが増えると、つぶやき担当としては楽しくなってしまい、売上貢献という目標達成がおろそかになる。エンゲージメントを重視することで長期的にはメリットがあるが、バランスが必要だ。この“TLクリック率”と“TLコンバージョン率”を追うことで、話題性と売上貢献のバランスを取りながら、つぶやき内容や紹介商品の選定方法を最適化していくことができるようになるだろう。