ユーザーがコンバージョンに至るまでに複数のチャネルやキャンペーンに接触した場合、どこにその成果を割り当てるかという『アトリビューション』というキーワードに注目が集まっている。楽天のWeb解析・最適化推進リーダーが、現場視点でリアルに書き綴る「アクセス解析実践日誌」。第4回は、このアトリビューションを考慮すべきかの判断方法と、データ収集のための実装方法を詳細に報告する。(バックナンバーはこちら)
【課題ときっかけ】コンバージョンに結びついたキャンペーンだけで評価してよいのか?
広告やキャンペーンの間接効果は、アクセス解析における未解決の課題の1つだ。例えば、【図1】のように3回の訪問でコンバージョンに至ったとする。
キャンペーンAは、このサイトを初めて訪問するきっかけになったが、その場ではコンバージョンに至らなかった。翌日、自然検索でサイトを再訪問したが、ここでもコンバージョンに至らずに訪問が終了した。3回目のブックマークによる直訪問で、ようやくコンバージョンに至った。
このように、複数のキャンペーンや流入チャネルを経由して(タッチして)成立したコンバージョンを、どの施策による成果とみなす(アトリビュートする)べきだろうか? 多くの解析ツールでは、最後のキャンペーンのみにコンバージョンを配分するのがデフォルト設定になっているため、初回訪問のきっかけになるなど間接的に貢献している施策を過小評価していることになる。
オンラインの場合、キャンペーンや検索行動は相互に影響しあう。特に、じっくり検討する商材(高額商品や金融商品、旅行やスクールなど)を扱っている場合、最終的にコンバージョンに結びついた訪問のキャンペーン効果測定のみでは不十分だ。
USのカンファレンスでも、こうしたアトリビューション(貢献度)に関する円卓のディスカッションに参加したが、誰もが答えを模索している段階のようだった。“注目しているが手法が分からない”という賛成派と、“広告を見る順番が分かっても最適化できないので知る必要はない”という懐疑派。帰国後、筆者自身も調べてみたが、決定的な考え方や事例が見つからない。だが、Web Analytics DemystifiedのEric T. Peterson氏が執筆し、Coremetricsが公開したホワイトペーパーは最も参考になった。
- Appropriate Attribution:Coremetrics(※要個人情報入力)
このホワイトペーパーでは、コンバージョンに至るまでにユーザーが接触する複数のキャンペーンのうち、どのようにアトリビューションを割り当てるのが適切かが解説されている。この中でPeterson氏は、最初のキャンペーンである「ファーストタッチ」、最後のキャンペーンである「ラストタッチ」、接触したすべてのキャンペーンにコンバージョンを均等に割り振る「アロケーション」による結果を比べた上で、指標としてファーストとラストの割合に注目することを提唱している。
ホワイトペーパーによると、例えば前述の【図1】のように一人の訪問者が3回に分けてサイトを訪問した場合、次の【図2】のようなレポートになる。
データを蓄積していくと、実際には【図3】のようなレポートが得られる。一番右のカラムが、Peterson氏が提唱する「適切なアトビリューション比」だ。
アトリビューション比が得られる
だが、この考え方をそのまま自社に適用できるのだろうか? 検証を含め、自社にとって最適なアトリビューションの分析方法を探る必要がある。
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- キャンペーンの間接効果は解析できるのか? アトリビューションの計測・実装方法を考察する
- この記事の著者
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清水 誠(シミズ マコト)
Webアナリスト/改善リーダー。
1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・PIMを導入、楽天では...
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