沖縄から世界を目指す、創業12年目のベンチャー企業レキサス
IT&ウェブ業界で働くメリットの1つが、PCとネットワークさえあれば、場所を選ばずどこでも仕事ができること。とはいえ、やはり最先端かつクオリティの高い仕事は東京でなければできない、と思っている人は少なくないはずだ。
その既成概念を覆し、沖縄から東京も飛び越えて世界を目指しているのが、株式会社レキサスである。1998年設立、社員数は44名(2010年7月現在)で、平均年齢は29歳。ITバブルを経験し、乗り越え、創業12年目を迎えた。
事業内容は大きく分けて3つ。携帯コンテンツ変換ソリューション「ピュア・アクシス」などを始めとする、オリジナルインターネットアプリケーションの開発・販売および運営業務、データセンター「レキサスiDC」におけるインターネット・サーバー運用管理業務、公式携帯サイトのコンテンツ企画・開発および運営業務を手がけている。
「ピュア・アクシス」のクライアントは、「タウンページ」のNTT番号情報、日興コーディアル証券、テレビ朝日、「goo」のエヌ・ティ・ティ レゾナントなど、誰もがその名を知る大企業だ。ほかの事業を含めても、レキサスのクライアントの9割は沖縄県外にある。これは、創業時から決めていたルールの1つだという。
受託開発型から脱し、自分たちで作ったサービスを発信しようと起業
創業者にして、代表取締役社長の比屋根 隆さんは、会社設立の経緯とそれに基づき掲げた経営方針について、次のように話す。
「学生時代に起業したのですが、その頃、沖縄県のIT企業のビジネスモデルは、受託開発型でした。東京の企業と仕事内容が同じでも、『人件費が安い』という理由で沖縄の企業が金額を下げられているのを知り、愕然としました。そこで受託開発型から脱し、『自分たちでモノを創って全国や世界に発信できる技術やサービスを持った会社』をつくろうと、レキサスを立ち上げたわけです」
レキサスの社名は、琉球王国時代にポルトガル人からの沖縄人の呼び名であった「レキオ」と、「サクセス」を結びつけてできた。大交易時代を築いた「レキオ」のように、世界へ通用する企業として発展したい、との思いが込められている。
沖縄のIT技術を世界レベルへ、との思いは、自社だけにとどまらない。「IT frogs」という、沖縄の大学生をシリコンバレーに派遣するプロジェクトがある。比屋根さんは自ら立ち上げ事務局を担当し、レキサスはそのスポンサー企業に名を連ねている。(次ページへ続く)