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ブログは死なず。“ブーム”から“成熟”に至ったブログ広告記事サービス

 ソーシャルメディアが新たなマーケティング活動のプラットフォームとなり、TwitterやUstreamなどを使ったプロモーションが日々メディアをにぎわせている。一時期話題を集めたブログを活用したマーケティングは、今ではすっかり隅に追いやられた感があるが、実は広告記事を展開する先として、ブログを利用する企業のニーズが高まってきているという。2周年を迎え、都内で盛大なブロガーイベントを開催するなど、勢いに乗るブログタイムズ。不景気にもかかわらず、案件数が増加している同サービスの担当者に話を聞いた。

着実に地歩を固めるブログ広告記事サービス

 北は北海道から、南は九州まで。株式会社PR TIMESの運営するブログ記事広告サービス「ブログタイムズ」が、全国のブロガーを一堂に集めて盛大に2周年記念イベントを開催した。イベントに参加したブロガーの数はおよそ80人。遠方からの参加者も含まれていたが、何とその交通費の一部を主催者負担するという大盤振る舞いだ。

この日、ブログタイムズの新ロゴマークを決める参加者投票も行われた
この日、ブログタイムズの新ロゴマークを決める参加者投票も行われた
料理からパソコン関連まで幅広いジャンルのブロガーが終結
料理からパソコン関連まで幅広いジャンルのブロガーが終結

 ブログタイムズは、ブロガーに記事広告を書いてもらうことで、広告主の商品・サービスを訴求する広告サービス。サービス開始当初、ブロガーに支払われる報酬の高額さから話題を集めたので、記憶に残っている方も多いのではないだろうか。

 ソーシャルメディアを活用したプロモーション手段としては、最近ではTwitterが注目されている。ブログも一時は脚光を集めていたが、世間的に見ると注目度が相対的に落ちてしまっているのは否めないところだろう。

 だが、ブログタイムズを利用する顧客からの評価は着実に高まっているという。現在走っているブログ広告企画の数は、半年前と比べて1.8倍。成果につながることが認められ、リピート客も増えてきているようだ。

 なぜ、ブログタイムズのブログ広告企画は支持されるようになってきたのだろうか。そこから、ブログ記事広告の現状を探ってみよう。

ブログは「終わった」わけではない。成熟したマーケ手段に成長

 ソーシャルメディアの中でも、Twitterに代表されるマイクロブログやmixi、GreeなどのSNSなどが話題を呼び、成長を続けているが、ブログの影響力自体は現在も変わっていないようだ。

 総務省が発表した平成22年版情報通信白書の「ソーシャルメディアごとの利用実態」によると、【これまでに利用したことのあるソーシャルメディア】という項目では、ブログが77.3%と圧倒的に高く、マイクロブログよりも相対的に高い利用頻度だという結果がでている。

【これまでに利用したことのあるソーシャルメディア】
ブログが最も多く、マイクロブログはまだまだ成長過程にあるようだ
(※出典:総務省「ソーシャルメディアの利用実態に関する調査研究」平成22年、以下同)
【これまでに利用したことのあるソーシャルメディア】ブログが最も多く、マイクロブログはまだまだ成長過程にあるようだ(※出典:総務省「ソーシャルメディアの利用実態に関する調査研究」平成22年、以下同)
【ソーシャルメディアの利用頻度】
相対的にSNS、ブログ、マイクロブログの順に利用頻度が高い
【ソーシャルメディアの利用頻度】相対的にSNS、ブログ、マイクロブログの順に利用頻度が高い

 また、【ソーシャルメディアで実現したこと】という項目では、「知りたいことについて、情報を探すことができた」が76.1%、「自分の情報や作品を発表することができた」が46.9%など、ブログは情報の受発信を効用とする回答が特に高いという結果が出ている。

【ソーシャルメディアで実現したこと】
ブログは情報の受発信に関する回答が多い
【ソーシャルメディアで実現したこと】ブログは情報の受発信に関する回答が多い

 これらのデータを見る限り、Twitterなどに注目が集まっているからと言って、「ブログが終わった」わけではない。むしろ、マーケティング担当者向けのメディアという視点で見れば、「手探り感があった数年前から経験を積み、ノウハウを蓄え、効果を計算できるプロモーション手段として成熟しつつある」と株式会社PR TIMESのサービスマネジメント本部マネジャー、三島映拓氏は語る。

「ブログがブームだった時には、口コミに対する期待があまりに高すぎたのではないでしょうか。『1人でもブロガーに取り上げてもらえれば、自然と口コミが伝播する』とまで期待されることもありましたが、それはかなり特殊な例でしょう。

ただ、口コミがさほど期待できなくても、影響力のあるブロガーに質の高い記事を書いてもらうことは、読者の購買意欲を高めることにつながります。すぐ購入には結び付かなくても、頭には残っているもの。商品、サービスを単純に認知してもらうというよりも、複合的なキャンペーンの中で、消費者の購買意欲を一歩進めたいといったときに使える広告・宣伝手法ではないでしょうか

記事のクオリティとブロガーのモチベーション維持を両立させる秘訣

 前述のイベントに参加したブロガーの中には、ブログタイムズのサービスが始まったころからの会員も参加していた。ブロガーの側から見たブログタイムズは、「毎日悩まされる更新のネタを与えてくれて、依頼内容も面白い。文章を書くやる気が湧いてくる」ものだという。ブログタイムズが広告主に支持される理由の1つは、このコメントの中に隠されている。

 「どんなオーダーをすればブロガーが意欲的に動いてくれて、良い記事にまとめてくれるのか。さまざまな成功と失敗を繰り返してきたからこそ、当社はブログ広告記事を成功させるノウハウを蓄えています」と三島氏は説明する。

 ブロガーに興味を持ってもらえること、そして広告主に対しては成果を返すこと。試行錯誤の末に定着してきたのは、ブログタイムズがブログ広告記事の企画自体をプランニングするところから関わることだった。

 ブログタイムズは記事掲載料として1000~1万円をブロガーに支払うが、決して「広告主に有利なように書いてくれ」とは依頼しない。そうではなく、広告主が伝えたい商品・サービスの良さをブロガー、そして読者に伝えられるように、記事にする切り口について条件を出していく。

 例えば、ロッテが大河ドラマに絡めて展開している「お菓子でめぐる龍馬伝フェア」。お菓子と言えば、食べて味をレポートするといった取り上げ方がありがちなところだが、ブログタイムズではただ味の感想を伝えるだけで終わらないように、記事募集の際に次のような条件をつけた。

  • パッケージに記載された坂本龍馬の名言の部分を写真に撮って載せる
  • 高知のゆずや長崎のハニーカステラ等のご当地素材を使ったお菓子だが、ご当地商品ではなく全国で販売されていると説明する
  • フェア自体の認知を高めるために龍馬伝のマークが入るように撮ったパッケージ写真を載せる
記事の一例、各ブロガーさまざまな切り口で商品を紹介している
記事の一例、各ブロガーさまざまな切り口で商品を紹介している

 このように記事の効果を最大化するための条件を精査して記事執筆の依頼をすることで、広告主に対してはブログ広告記事のクオリティを一定以上に保ち、ブロガーに対しては新しいミッションに取り組むかのような新鮮な気持ちで案件に参加してもらえるよう工夫しているという。

ブログは中長期的なブランディング向上に優れたメディア

 もともと、ロッテの龍馬伝フェアのプロモーションは、“限られた予算だが特徴のある商品なので消費者の認知を促したい”という目的で、ブログタイムズのサービスが利用された。各ブログでの反応、そこから波及したTwitterの反応などはニュースサイトにも取りあげられた。期待以上のヒットになったようで、「ブログタイムズを利用しなければ、ここまで売上は伸びなかっただろう」とロッテの担当者も満足のいく結果が出た。特に高く評価されたポイントは、次のような点にあるという。

  1. 低予算でも利用でき、予算に応じて実施規模を柔軟に調整可能
  2. 視聴者・読者へのリーチ単価で見るとテレビCMと比べても遜色のない水準

 ブログタイムズのサービス料金は、基本料金40万円に30名のブロガーによる記事掲載料金の12万円を加えた52万円から。掲載ブログ数で料金は変動するが、予算規模に応じたプランニングが可能だ。

 リーチ単価については、ロッテの事例では1カ月間で52万PV超を叩き出した。「リーチした先まで考えると、テレビCMは素通りされてしまう可能性もありますが、ブログは読者の意思で能動的に目で追って読まれます。一定の規模において比較した場合には、テレビCM以上に良い結果だったと言えるのではないでしょうか」と三島氏は言う。

 ロッテの事例では、さらにアンケート調査を実施。ブログ記事を見たことで龍馬伝フェアに関心を持ったユーザーは64%に上り、商品を欲しくなった人は60%、ブログ内のリンクをクリックして詳細まで知りたいと思ったのは59%、誰かに記事の内容を伝えたいと思った人は44%という結果になった。

龍馬伝フェアの調査結果
ブログ記事を閲覧することで、読者の興味・関心が底上げされているケースが多い
龍馬伝フェアの調査結果。ポジティブな反応が高い

 この結果は、龍馬伝フェアをもともと知っていたかどうかでクロス集計すると、さらに興味深いデータへと変わる。「もともと知っていた人」の回答に限って見ると、全般的に評価はさらに高くなる。

事前にフェアを認知していたかどうかで比較したところ、
「元々知っていた人」の反響が全般的に高評価となった
事前にフェアを認知していたかどうかで比較したところ、「元々知っていた人」の反響が全般的に高評価となった

「ブログは、すぐにコンバージョンへつながるような即効性は薄いかもしれませんが、“ある程度の期間を掛けて知名度・ブランディングを向上させ、購入の後押しをする媒体として価値がある”と感じていただけている広告主が多くなってきているようです。例えば、新商品のプロモーションだけでなく、既存商品の違う利用方法を提案する、実際の使用感などを伝えるなどの目的で利用していただいている企業もあります。業態はメーカーだけでなく、レジャーやエンタメ系までさまざまですね」(三島氏)

ブログは死なず。ただブームが去るのみ

 「『ブログは死んだ』と言う方も一部には居らっしゃるかもしれませんが、一過性のブームが過ぎ去って成熟期に入ったのではないでしょうか。プロモーションの目的次第で、ブログは有効なメディアです。ブログは死なず、まだまだ伸びシロのあるメディアだと感じています」(三島氏)

 プロモーションの目的に応じて、広告記事の掲載を依頼するブロガーを選定する。広告主の視点とブロガーの視点を組み合わせた広告記事のプランニングを考える。そうした柔軟性・企画力を高めていくことで、さらに広告主にとって最適なプロモーション手段となっていく。三島氏は今後のブログマーケティングのあるべき姿について、このように語った。

株式会社PR TIMES
サービスマネジメント本部マネージャー 三島 映拓 氏
株式会社PR TIMES サービスマネジメント本部マネージャー 三島 映拓 氏

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/09/27 11:00 https://markezine.jp/article/detail/11377