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マーケターのためのフェルミ推定問題集

マーケターのためのフェルミ推定問題集(2)


 こんにちは、CAテクノロジーの小越と申します。この連載では、6回に渡って「マーケターのためのフェルミ推定問題集」をお届けします。フェルミ推定を通じて、「結論から」「全体から」「ロジカルに」「シンプルに」考える能力を、読者の皆さんと一緒に鍛えていきたいと思います。(バックナンバーはこちら)

ロジカルな頭に作りかえるフェルミ推定

 早速、第2回目の問題を・・・っと行きたいところですが、その前に、まずは本連載での原則をもう一度おさらいしたいと思います。前回同様、この連載におけるフェルミ推定のとらえ方は、次のとおりです。

フェルミ推定とは?
(1)フェルミ推定は、時として明確な答えが不明、または存在しないような問題に対して、結論から考えて解決に必要なデータを洗い出し、手元にないものは類推することで概算に迫ろうというテクニック
(2)必要な結論に対して「結論から」「全体から」「ロジカルに」「シンプルに」考える能力を養うことができる
(3)業務上は、時として正解がないような問題を考える際、自分なりに計測可能な指標を定義し、それらの指標に対してどれくらいのインパクトがある施策になるのかを類推することで、検討の第一歩にすることが可能になるかもしれない

 基本的には「導きだした回答がどれくらい正解に近いか?」ということは考慮にいれません。それよりも、「確からしい答えをロジカルに導くことができているか?」「その手順は妥当か?」というところに、焦点を当てています。

前回記事へのコメント

 前回の記事を公開した後、Twitterやコメントでいくつか興味深いご指摘をいただいたので、紹介させていただきます。

 まずは、27.2億本さんのコメントから。

問題から体積比を求めることは自明。キモは東京タワーの体積の概算方法。

東京タワーは、主に鉄骨からなり、かなりスカスカなので外形寸法から体積を求めることは困難。よって、総重量と比重から求めることとした。この時、材質は全て鋼鉄であると仮定した。

燐寸の寸法が不自然なので、これも調べた。

 とても勉強になるコメントをいただきました。私と同じ体積からのアプローチですが、東京タワーはスカスカな外形をしているので、その寸法ではなく、重さから体積比を求めるという手法で、マッチ棒の本数を推測するというアプローチです。このように、「より妥当であろうアプローチ」が集まると、仮説の精度もあがりますね。

 続いては、metaboy777さんのコメントです。

大事なのは、細かく数字を出すことでは無くて、事象を捉えられるかどうかだと思います。

 

例えば、家の中にはゴキブリが何匹いるか? そこから、その町で売れる殺虫剤の数は何本くらいになるか? そこから、その町のドラッグストアに何本ずつ殺虫剤を置いてもらったらいいのか? だから、どのくらいの売上が見込める町なのか?

 

これをその場でざっと数値化してみなさいと。実際には一家屋あたりゴキブリの数なんて数えられません。 だから、出てくる数字も大雑把。この大雑把な数字から、こんなくらいの需要が見込めるかもしれない?! と仮説を立てるわけだと。

 

でも、言われたのは、頭の中に公表されている数値データーは何か入れておくとよいと言われました。人口、年代別人口と言ったような公開情報等。

 これも、とても重要なご指摘です。フェルミ推定は前述のとおり、ざっと見通しの仮説を立てるためのテクニックであり、その場で行うことが重要です。そのため、無い情報は推測することが原則になります。それに加え、その精度を高めていくには公表データを持っておくことは非常に重要ですね。

 また、いくつか誤字についてのご指摘もいただきまして、それらについては訂正させていただきました。ご指摘ありがとうございます。

【練習問題2】渋谷のスタバ1日の売上は?

 長い前置きになってしまいましたが、それでは第2回の問題です。

今回の問題は?

 渋谷マークシティにあるスターバックスコーヒーの1日の売上は?

 今回も問題を実際に解く前に、解き方について簡単に考えてみます。

  1. まず、求めるべき値を決めます。今回の場合であれば、店舗の売上ですね。
  2. それから、どのような数字が分かれば店舗の売上を求めることができるかを考えます。
  3. 最後に、それらの数字を元に概算します。

 次のページでは、私なりの解き方を解説していきます。次のページに進む前に、読者の皆さんも自分なりの解き方を考えてみてください。

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この記事の著者

小越 崇広(オゴシタカヒロ)

サイバーエージェント入社後自社メディアの営業・プランナーを兼務し、 新興メディア上でのコミュニケーション立案に携わる。2006年11月同社のネット トレンド研究室立ち上げに参画。翌1月から同社の100%出資子会社のCAテクノロ ジー に出向。同社のマーケティング局の立ち上げに奔走している。個人ブログ は今日のニッパウ。Tw...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 21:07 https://markezine.jp/article/detail/11459

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