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“Web PRの成否はYahoo!トピックス掲載だけじゃない” 事例とデータから探るWeb PRの最新潮流

 これまでのWebを使ったPRの目的は、多くの利用者の目にとまる可能性の高い『Yahoo!トピックス』への掲載の可否を成果指標にする傾向が非常に強かった。しかし、最近ではソーシャルメディアの隆盛などにより、それ以外の効果も無視できなくなっている。Web PRを総合的に手掛けるPR TIMES社では、こうした新しい流れをとらえ、有効に活用している事例も見られるという。Web PRの最近の傾向、そして同社が新たに取り組んでいるサービス内容について、マーケティング本部・部長、山田健介 氏に話を聞いた。

検索やソーシャルメディアで高まるWebの伝搬力

 消費者によるインターネットの利用率・接触時間の増加に伴い、近年急速に発展しているWeb PR。IMC(統合型マーケティング・コミュニケーション)などへの注目が集まっている昨今、業種を問わず力を入れている企業も多いのではないだろうか。

 Web PRに最低限必要なアイテムは、なんといってもプレスリリースだろう。各社、メディアへの掲載を狙い、さまざまな趣向を凝らしたプレスリリースの作成・配信を行っている。「ここ1~2年の間で、調査系のプレスリリースが非常に多くなっています。ニュースソースとして利用しやすいよう、さまざまな調査結果をプレスリリースに添えて配信し、有力メディアでの掲載獲得を狙っているようです」と語るのは、PR TIMESのマーケティング本部 部長 山田健介 氏だ。

 PR TIMESは、新聞/雑誌/テレビ/ラジオ/Webの合計2400以上のメディアに対して、企業のプレスリースを配信代行するサービス。同名のWebサイト「PR TIMES」のほか、3大全国紙(読売新聞、毎日新聞、朝日新聞)のWebサイトやmsn(11月開始)など、提携Webメディア全52媒体にプレスリリース原文が掲載される。直近では、Yahoo!ニュースの新設コーナー「企業トレンド」へのコンテンツ提供もスタートした。サービス開始から3年半で、広報部や宣伝部などを中心に累計2000社に及ぶ企業に利用されている。

 数々のWeb PRを見てきた山田氏だが、最近の傾向として「Yahoo!トピックス掲載は依然圧倒的な存在感があるものの、それ以外の効果も見逃せない物になってきた」と語る。近年、日本におけるWeb PRで最も効果的とされてきたのが、Yahoo! Japanトップページ中央に表示される『Yahoo!トピックス』に、PRした情報をもとにしたニュース/記事が掲載されることだった。圧倒的な利用者数を誇るYahoo! Japanトップページに掲載されるというインパクトの大きさから、ここへの掲載の可否を成果指標とする企業も少なくない。

 しかし、前述のとおりYahoo!トピックス以外の効果も見逃せない物になってきているという。その理由について、山田氏は次の2つを挙げる。

  1. メディア制作者の変化
  2. ソーシャルメディアの隆盛

リアルメディア記者の情報源の変化

 まず、1つめの「メディア制作者の変化」については、同社がメディア制作に関わる男女90名に対して今年6月に実施した「インターネットの活用動向調査」が参考になるだろう。

 この調査によると、全体の6割が「必ずインターネットを情報収集で利用している」という結果が出ており、最新の情報を入手できる情報源として最も評価されている。また、企画・制作の時点で参考にする情報源として、インターネットでの検索結果が上位にきている。

当たり前の話だが、メディアの制作者にとってもWebは情報源として必須となっている
(※以下、PR TIMESのアンケート調査結果より編集部で作成)
当たり前の話だが、メディアの制作者にとってもWebは情報源として必須となっている(※以下、PR TIMESのアンケート調査結果より編集部で作成)
企画、制作どちらの段階でも検索の利用頻度は高い
企画、制作どちらの段階でも検索の利用頻度は高い
Webでの情報収集は当たり前の取材活動の一つになっている
Webでの情報収集は当たり前の取材活動の一つになっている

 この調査対象には、Webメディアの記者・編集者だけでなく、雑誌、新聞、フリーペーパー、テレビ番組、ラジオ番組などのメディア関係者も含まれている。情報収集に、インターネットや他メディアを活用するというのは、メディアの制作者にとっても当たり前の取材活動の一つになっているというのが感じ取れる調査結果だ。

 最近では、Webメディアに掲載された情報から、新聞や雑誌、テレビなど他のメディアに波及するという流れも、顕著に表れ始めているという。その一例として山田氏が紹介してくれたのが、藤田観光の事例だ。

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事例1:藤田観光~Webメディアからテレビへ~

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/10/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/11603

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