もはやベンチャーではない!「普通の会社」として社会的責任を果たしたい
ネット系ベンチャーのメッカ、渋谷の一等地に本社を構える株式会社ライトアップ。2002年にWeb上のコンテンツ流通促進を目的として設立し、ブログによるバイラルコミュニケーション施策やSEO対策などを手がけるなど、常にネットビジネスの最先端を走り続けてきた。しかし、同社代表取締役の白石崇氏は「ベンチャー企業と呼ばれることに抵抗がある」と語る。
「“ベンチャー企業”という言葉の意味の取り方次第ではあるのですが、あえて一般的なイメージに”甘え”が感じられることに違和感を感じています。たとえば、スタッフに長時間労働を強いる、親しい同士でつるむ、でも『ベンチャーなんだからいいじゃない』と許してしまう。それは"普通の会社”にはあり得ないでしょう」
本来なら、これまでにない新しい事業を興す開拓者こそ「ベンチャー企業」と呼ばれるべき。しかし実際には、事業の先進性よりも、むしろ若くてルールに無頓着といった、企業として未熟な印象を持たれがちだ。一方、保守的といわれる大手企業をはじめとする「普通の会社」では、当然のように社会に貢献する新しいサービスやモノが続々と誕生し、新入社員がすぐに事業活動に参加して利益を出せる仕組みが整っている。そうしたイメージギャップに違和感があるのだという。
「そもそも創業してまもなく9年目を迎える当社が、ベンチャーといって甘えていられませんから(笑)。”普通の会社”として社会にインパクトを与えられるような事業を立ち上げ、継続させていくための仕組みを作る。それが私のミッションだと考えています」
そんな白石氏が自らリーダーとなり、新規事業として2008年に立ち上げたのが、中小企業を対象とした集客・運営支援事業である。現在サービスは20商材を越え、毎月複数の新しいサービスがリリースされているという。
「もちろん商材によってばらつきはありますが、アクセスログ解析ツールやSEO自動化サービスなどを中心に急速に利用者が増え、トータルで延べ4000社もの企業に利用いただいています。それが今のライトアップの大きな収益源となっており、成長の推進力となっています」
短期間で多数のサービスを開発し、急速に業績を伸ばすことができたのはなぜか。サービスの魅力とともに、新業態を確立するまでの経緯について伺った。(次ページへ続く)