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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

“売る相手”と“売れるモノ”を見極めて成功した新興国特化のリサーチ会社の話

Q.2007年に香港から東京へ本社機能を移した経緯を教えてください

 リサーチが完全に事業の柱になり、顧客も中小企業から大手企業へと移行していきました。

 当時は現地の日系企業が顧客でしたが、日系企業は現地法人への権限移譲が遅れ、現地法人の予算も多くありませんでした。また、顧客の東京本社へ頻繁に呼ばれるようにもなったため、東京へ本社を移転しました。

Q.調達事業はアリババと組むことを考えていたそうですが、具体的にはどのような計画だったのでしょうか?

 インターネットでの調達をメインに行うアリババと、リアルでの調達を行う弊社が組めば、さらに伸びると考えていました。

 中小企業の求める物資の調達をインターネットで行うのは難しいと、リアルでの調達代行業務を行っていて痛いほど理解していました。そのため、アリババから資金を調達して協業すれば、調達事業を別会社にし、大きく成長させることができると考えました。

 しかし、杭洲のアリババ本社にも、日本のアリババにも乗り込んだのですが、ふられてしまい…。その結果、当社単独で調達とリサーチの両事業をスケールさせるのは不可能と判断し、思い切って調達事業を捨て、リサーチ事業に完全特化しました。アリババの経営陣とは、今まで以上に仲良くなりましたが(笑)。

 ただ、調達事業からの撤退の際、現地法人縮小などで始めてのリストラ実行を経験しました。リストラの実行で本当に辛かったのは、現地法人の社長を兼務していた古川だと思います。

Q.その他にも、オフィスの東京移転に理由はありますか?

 日本に本社を移転した理由の1つとして、資金調達もあります。3億円の調達を行いました。

 また、中国におけるリサーチ・パートナーのネットワークを強化できつつあったのも大きな要因です。当時、顧客であった現地日系企業の調査予算がなかったため、弊社の現地法人は営業ができない状況でした。そういう状況であれば、自社の現地子会社は不要と判断しました。

 リサーチ業務だけを行う法人は、メーカーで言うところの“工場”です。現地で、そのリサーチ結果、つまり製品を売れないのであれば、コストのかかる自社工場を持つよりも、パートナー会社をネットワーク化し、発注と資本の関係でOEM工場のように事実上支配する方が、日本人が作る現地法人よりもよっぽどローカライズした会社になれると判断しました。

Q.中国でのリサーチ・パートナー開拓で苦労した点を教えて下さい

 基本的に我々が委託するリサーチ業務は、リサーチ業務全体の中でもフィールドと言われる末端部分だったので、会社というよりは、人や経営者が重要でした。大手ではなく、その下請けの下請け。現場に近い小さな会社を、エリアごとに見つけるのに苦労しましたね。中国に限らず、どの国でもそうですが。

現在では、世界各地に300を超えるリサーチ・パートナー企業がいる
現在では、世界各地に300を超えるリサーチ・パートナー企業がいる

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Q.企業の中国進出に際して、マーケティング・リサーチの観点から大事なことは何ですか?

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。
中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。
2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。
プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/10/06 11:00 https://markezine.jp/article/detail/11872

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