サイト内ナビゲーションの設計不備は危険
ショッピングサイトや不動産・旅行系サイトの場合も同様で、サイトの論理階層的に奥底にあるコンテンツが検索されにくい。
キーワードと完全一致するページが存在するにもかかわらず、サイト内リンクの設計上の不備により、検索結果に表示されにくいといった問題に直面することがある。
なお、特にショッピングサイトのように、何らかの軸で商品一覧ページを生成し、商品点数が多数ヒットした場合にページネーションを使う場合、そのページネーションのURLやページ生成ルールに問題があると、クローラのアクセス時間の大多数を、そのページネーションのクロールに費やしてしまい、肝心の商品詳細ページがインデックスされないという問題もある(※ ページネーションの処理については別の機会に触れたい)。
話を整理しよう。
数千・数万以上のコンテンツ、もしくは情報点数を持つサイトの場合、サイト内のナビゲーションの設計を怠ると、サイト全体がクロールされないことが多い。
また、ページごとに何のキーワードと密接に関連づけられるかが(検索エンジン側から)把握しづらくなるため、検索結果上の競争が緩やかでニッチな検索ワードでも検索されにくくなるという課題がある。
こうしたサイトは、ターゲットとするキーワードの絞り込み、または特定が不可能なため、単純に「外部リンクでSEO」という解決策はとれない。例えば、Amazon.co.jpで「アンカーテキスト"ショッピング"で大量にトップページにリンクを張りましょう」で済ませようとする人はいないだろう。
クローラビリティを担保する重要ポイント
今回は解決策の1つとして、ナビゲーション設計によるクローラビリティの担保について話を進める。
SEOにおけるナビゲーションというと、「グローバルナビ」や「パンくずリスト(トピックパス)」、「フッターリンク」といったものが第1に挙げられるが、それらはSEOとは無関係に、当然の機能として実装されていることが多いので、本稿では割愛する。それらを抜きにして、どのように過去コンテンツへのリンク経路を確保していけばいいのだろう?
以下、アイデアの種として取捨選択的に取り入れられるように列挙していくが、先に重要なポイントをまとめておく。
1)サイト内はメッシュ状に、密に互いのページをリンクさせること
Wikipediaやはてなキーワードを見ると分かるように、サイト内のページが互いに非常に高い密度でリンクされている。コンテンツ(本文)内で互いにリンクされている点も重要だが、同じことを自分のサイトでも実施することは現実的に難しいことも多いので、せめて、サイト内のリンク網を強化することを目指すこと。ちなみに、特にGoogleを意識したSEOを実施する場合は、サイト内のリンク網は重要な要素の1つだ。
2)リンクの切り口を多数に
先に触れたように本稿ではページネーション問題は割愛するが、サイト内のページをさまざまな切り口のリンクで串刺しにしていくことは、大切なポイントだ。最近は、Googlebotの性能が大幅に進化したり、XMLサイトマップのようにクロールを支援するためのフィードも登場しているが、サイトそれ自体でクローラビリティが担保されていることが、SEO上では1番ベストである。
3)フッターリンクに頼らない
コンテンツが膨大なサイトの大半はフッターリンクに大量リンクを並べていることが多い。それ自体は悪いことではないが、他にもやり方はいろいろあるのだということは知って頂きたい。
取捨選択的に、と書いたとおり、列挙したものをすべて実装する必要はないし、仮に取り入れたところで機能が重複するだけでSEOの効果が倍増するわけではない点に注意してほしい。
