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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

ギャルモデル・グラビアアイドルのチャリティオークションサイトを運営する「goodbuy.jp」の話

 毎回ユニークな事業を行っている企業の経営者にインタビューする「すべらない事業のつくりかた」。第17回は、ギャルモデル・グラビアアイドルの私物をチャリティオークション形式で販売する「goodbuy.jp」の三笠氏に、すべらない事業のコツを聞いた。

Q. 起業されるまでのキャリアを教えてください

 1976年生まれで現在34歳です。大学時代からイベント制作会社でアルバイトをし、ニューオータニグループ「浅草ROX3」のイベントコートの立ち上げに参加しました。主に企業イベントの企画・運営や商品展示会、MCなどを担当していました。

 日本大学卒業後、森ビルグループの「お台場ヴィーナスフォート」立ち上げに参加し、宣伝・販促を担当しました。そこでは、販売促進企画(カード販促、店内館内販促物作成)やイベント企画、広告制作などさまざまな仕事のアシスタントを行いました。

 その後、数社の転職を経て広告代理店役員に就任し、109ブランドや流通施設、コレクションブランドなどのブランディングなどを担当しました。その会社を退職後、2009年1月に株式会社goodbuy.jpを設立して代表に就任し、現在に至ります。

Q. goodbuy.jpの事業内容を教えてください

 タレントチャリティオークション事業です。タレントさんの私物をオークション形式で販売し、収益金の一部をチャリティとして寄付するのが主な事業内容です。雑誌専属モデルが出品するギャルオークション、略して「ギャルオク」と、グラビアタレントが出品する「グラオク」の2種類のオークションを展開しています。

人気モデルやタレントの私物をチャリティーオークション形式で販売する「goodbuy.jp」
人気モデルやタレントの私物をチャリティーオークション形式で販売する「goodbuy.jp」

 オークション販売の他に、109系のアパレルなどのアウトレット商品や、広告バナーなどの販売を行っています。

Q. ギャルオクとグラオク、それぞれのユーザーの違いを教えてください

 ギャルオクのユーザーは、10代後半~30代の女性がほとんどです。グラオクは10代~40代の男性が多いです。ネットということで、全国にお客様がいらっしゃいますが、海外からのアクセスも非常に多くなってきました。

Q. goodbuy.jpはスタート当初はオークション事業ではなかったと聞いていますが?

 2009年に会社を立ち上げた当初は、アパレルメーカーの在庫商品をネットを介してアウトレット価格で販売していました。

 また、ネット以外にも実店舗を3店舗立ちあげていました。その当時は、今のようにアウトレットショップがなかったため、非常に好調な滑り出しでした。

Q. どのように現在のタレントオークションへ事業転換していったのでしょうか?

 あるファッションイベントで「出演者のモデルさんの私服をチャリティで販売して欲しい」という相談を受け、実際にネットで販売をしてみたところ、すぐに完売しました。

 売上をすべてNPO法人に寄付して、しばらく経った後、そのNPOから感謝の連絡をもらい、今まで感じたことのない種類の、何とも言えない感動を覚えました。自分が社会の一部に貢献できている事に喜びを感じ、この感動をビジネスを通して皆で分かち合うことができないかと考え始めるようになりました。

 いろいろと調べてみると、海外のブランドが社会貢献として収益の一部を寄付していることが分かり、欧米のチャリティ意識の高さに驚きました。「これからのビジネスは利益追求はもちろんだが、収益の一部で社会貢献をしていく企業が残るのではないか」と漠然と考えるようになりました。1つの企業だけが儲かるのではなく、収益の一部を寄付していくことにより、社会作りのお手伝いができるのではないかと。

 そうした気持ちがドンドン膨らんでいき、「タレントさんの私物を購入したいというファン」と、「自分の私物を販売することで社会貢献をしたいタレントさん」をつなぐビジネスを本格的に進めていこうという気持ちが固まり、サイトのリニューアルを決心しました。

Q. スタート当初、何名のタレントが参加しましたか?

 雑誌などで活躍するファッションモデルさんが35名、タレントさんが20名の合計55名でスタートすることになりました。

 2010年9月15日には、私の古巣であるヴィーナスフォートで記者発表も行いました。大勢の記者の方に取材に来ていただき、媒体への露出も行うことができました。

 おかげさまで、今では大勢のお客様に参加いただけるサイトになることができました。日本で唯一の、常設の社会貢献オークションサイトとして運営をしています。今後は、参加者を拡大し、ジャンルをさらに増加させていく方針です。

Q. 収益の観点で見た場合、タレントオークションはECサイトと比較して、より良いものだったのでしょうか?

 以前行っていたアパレルのアウトレット事業は、在庫の確保や価格面で、他社との競争がかなり激しいのが実情でした。かなりの数を仕入れて販売しないと利益が出にくいコスト構造にもなっています。

 また、商品の魅力を最大限に引き出すために、モデルに身につけてもらってもらって撮影する必要があります。そのため、モデルやメイクアップアーティスト、スタイリスト、カメラマンなどの人件費、スタジオ代など、表には見えない隠れたコストも実はかなりかかります。

 一方、タレントオークションは、商品にプレミアムが付くという点で、通常のECとは少し趣向が異なると思います。モデルさんが選んだ時点で、ファンにはたまらない一品にもなります。また、本人のポラロイド写真と、商品単体での撮影だけで済むということで、コストがかなり圧縮されます。

 そういう意味では、利益がすぐに出る仕組みになっています。

Q. 事業を軌道に乗せるにあたり、苦労した点を教えてください

 もともと苦労を苦労と思わない性格なのですが(笑)。

 サイトをリニューアルする前に、各プロダクションへ営業に行かせていただいていた頃は、社会貢献というと「胡散臭い」と思われ、参加いただけない方も正直多くいらっしゃいました。

 また、ポラロイド写真をオークションの落札者にお渡ししているのですが、その写真をいただくのに何日も待ったり、アクセスが集中してサーバーが落ちそうになるなど、その他にも苦労した点は多々あります。

 しかしサイトがオープンしてからは、むしろプロダクションの方から多くのお問い合わせをいただけるようになりました。当初の苦労が報われた気持ちです。

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Q. 芸能プロダクションとの折衝は一般的には敷居が高いイメージがありますが?

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。 中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。 2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。 プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/11/30 11:00 https://markezine.jp/article/detail/12676

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