MarkeZine Day Premium 2010 Focus on Analytics開催
MarkeZine編集部主催のセミナー『MarkeZine Day Premium 2010 Focus on Analytics』が、ベルサール神田で開催された。MarkeZine編集部主催のセミナーは、地方開催を含めると今回で8回目の開催となる。今回はデータ分析をテーマとし、データを活かしたマーケティングROI向上戦略を実現するための考え方、方法が業界のキーマンたちから語られた。会場には、マーケティング施策の全体の管理、見直しを担当するマネージャー・管理者、オンラインマーケティング施策を実行する、現場の広告/マーケティング担当者などが多く集まった。
潜在的なニーズが掴めない、日本企業
14時10分からはじまったセミナーのトップバッターを務めたのは、一橋大学 商学研究科教授 神岡太郎 氏。CIO(Chief Information Officer)、CMO(Chief Marketing Officer)、企業における情報システム、Enterprise Marketing Management、Eマーケティングなどに関心を持ち、著書に『CMOマーケティング最高責任者―グローバル市場に挑む戦略リーダーの役割』などがある同氏から『最高のパフォーマンスを叩きだす、次の時代のマーケティング組織 ~エンタープライズ・マーケティングマネジメント~』と題した講演が行われた。
冒頭、神岡氏は縦割り組織の日本企業では顧客の顕在的なニーズを掴むことはできても、潜在的なニーズを掴むことは難しいと指摘。また、ソーシャルメディアなど従来存在しなかった新しいメディアの勢いが増す中、従来型の組織では変化への対応が難しく、組織の再構築が必要と説いた。
「日本企業の場合、そもそも企業の中で『マーケティング』が何を示すのか曖昧です。また、多くの場合、マーケティング部門は組織の中で事業部側の下請けになっている印象があります。しかし、実は事業部側はこのやり方に限界を感じていて、マーケティング部門から顧客や市場の情報を欲しがっています。また、現場レベルでは顧客志向のマーケティングが実現されているケースもありますが、それが個別に行われているというのも、日本企業の特徴です」と語った。
脱、現場マーケティング
一方、現場主義が強い日本企業に比べ、欧米企業は組織としてマーケティングを行う仕組み作りにエネルギーを注いでいるという。「マーケティングを有効に機能させるには、『マーケティングを実施する』だけでは不十分です。個々のマーケティングをマネジメントすることが求められます」
組織としてマーケティングを実施していくために重要なのが、マーケティングマネジメントとマーケティングフレームワークという考え方だと神岡氏は紹介。最終的には企業全体で戦略的かつ、全体最適なマーケティングを実施していく必要があるという。
「変化が激しい状況の中で、顧客を掴むには属人的な現場マーケティングでは不十分な時代となっています。マーケティングをマネジメントする仕組み、組織的にマーケティングを行う枠組みが、いま日本企業にも求められています」とメッセージを贈り、講演を締めくくった。なお、講演詳細は後日の講演レポートで紹介していく。
【関連記事】
・ ソーシャルメディア時代のマーケティングROI向上策を一挙公開! MarkeZine Day 2010の参加受付をスタート
・行列のできる人気イベントが大阪初上陸! MarkeZine Day 2010 OSAKA開催
・「MarkeZine Day Spring 2010」開幕! “個客”マーケティングの最新動向とノウハウを一挙公開
・無料でマーケティングROIを高める方法がわかる! MarkeZine Day Spring 2010申込スタート