公開までがターゲットのランディングページ
ランディングページは、キャンペーンの一環で制作されることもあれば、単体で制作されることもあります。制作サイドから見た場合、そのほとんどはページの公開までを目標にしていることが多く、また、マーケターや運用側は公開後のページの効果だけに注目がいき、それらを改善していくプロセスを踏まないことがあります。
さまざまな内容を掲載するサイトのトップページと違い、ランディングページはバナー広告やリスティング広告などを使って集客することが多いため、訪問者のセグメントが絞りこまれていることが特徴です。そのため、掲載するコンテンツの情報も絞り込みやすいと言えるでしょう。逆にとらえれば、セグメントが絞りこまれている分、情報の絞り込みを間違えるとその効果を半減させてしまうとも考えられます。
ランディングページを制作する際は、キャンペーンの目的や広告によって顧客セグメントを絞り込み、そういったセグメントから想定されるニーズなどを検討し、掲載するコンテンツ選択やデザインなどが行われます。しかし、ここで重要なのはこうした目的やセグメントのニーズは“仮説でしかない”ということです。つまり、仮説が間違っていると、情報の絞り込みに失敗し、結果を出せないランディングページになってしまいます。
制作時には得られる情報が限られているため、仮説に基づいてページ制作を行うのは当たり前です。しかし、公開がゴールになってしまっていると、その仮説が間違っていたときに効果があがらないままのランディングページになってしまいます。そういったリスクを減らすためにも、公開後の改善を踏まえたランディングページの制作を行っていくことは、有効なアプローチの1つになります。
そこで今回は、公開後の分析を踏まえた設計、そしてウェブ解析から得られたデータに合わせて改善を実施していく方法を紹介したいと思います。
最適化のための3ステップ
公開後に取得できるデータをもとに、ランディングページを改善する手法は、次の3つのステップに分けることができます。
- Step1:知るためのランディングページ
- Step2:ニーズを反映させたランディングページ
- Step3:文言などを細かく最適化
まず、Step1の「知るためのランディングページ」では、ランディングページを訪問者のニーズが把握しやすい構成に組み立てて公開します。後ほど紹介する『1ページ1コンテンツ』という考え方をもとに、訪問者が知りたいであろうコンテンツ、さらに言えば運営側がどこにニーズがあるかを知れるようなコンテンツに絞り込み、ランディングページから各ページへ遷移するようなフローを設計します。
Step2の「ニーズを反映させたランディング」ではStep1で得られた分析データをもとに、ニーズの高いコンテンツを絞り込み、それらをランディングページのコンテンツの主題として改善します。こうすることで、集客している訪問者の興味を、戦略的にページに反映していくことが可能です。
Step3の「文言などを細かく最適化」では、Step2でニーズが高いコンテンツ構造が既にできあがっているので、それらの効果をさらに上げるため、文言やイメージ画像などのテストを繰り返し、効果のより高いものを見つけていきます。
この3ステップに沿って進めることで、ランディングページに必要なコンテンツの選定とチューニングができ、効率良くコンテンツを最適化していくことができるようになります。
では、このステップを実施するために必要な考え方を順に紹介していきます。