インターネットの基盤となったGoogleの検索サービス
携帯端末用プラットフォーム「Android」やWebブラウザ「Chrome」、企業向けのアプリケーション群「Apps」など、さまざまな製品を提供するGoogle。しかし、現在も事業の中心となっているのは、何と言っても検索サービスだ。
スタンフォード大学院で出会った2人の学生が作り出した検索サービスは、今や世界184カ国で展開し、検索市場の約7割を占めると言われている。国内においても2000年の日本語版正式スタート後、順調に利用者数を増やし、現在では約40%のシェアを持つ。Webでビジネスをする上で、最早この検索サービスを理解することは必須と言える。
日々進化を続けるGoogleの検索サービス。国内で検索部門のプロダクトマネージャーを務める鈴木宏輔氏に、検索サービスの現状を聞いた。
2010年の改善点は約500件、日々進化を続ける検索サービス
Googleは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という使命を掲げている。ユーザーの検索クエリーに対して、どうすれば関連性の高い検索結果を返すことができるのか。Googleが古くから取り組んでいる課題だが、“関連性の高い検索結果”の指す内容は年々変化している鈴木氏は語る。
「10年前と今を比べると、Web自体が変わってきています。テキスト中心だったものが、今では画像や動画も豊富に使われている。媒体の種類も増え、ソーシャルメディアも人気。検索対象は広がってきています。また、ユーザーのニーズも同じです。検索に慣れていくに連れて、ユーザーの期待値も高くなっているのです。両者を常に満たせるような形で、関連性の高い結果を返す。そのためには常に進化を続けないといけません」(鈴木氏)
鈴木氏の言うように、Googleの検索サービスは常に進化を続け、ユーザーの検索体験を大きく変え続けていいる。例えば、この1年程度の間に国内で発表された主な変更だけでも、次のようなものが挙げられる。
- 検索結果ページのUIリニューアル
- 画像検索のUIリニューアル
- リッチスニペットの情報拡大
- レシピ検索
- 位置情報設定機能
- リアルタイム検索
- Googleショッピング
- インスタントプレビュー
- スター機能
- 「もしかして」機能の拡充
だが、こうした公式ブログでポストされるような表に出ているものは、ごく一部。毎年、目に見えないところで無数の改善が行われており、2010年には500前後の変更が加えられたという。平均すると1週間に約9つという凄まじいスピードだ。
「ハードウェアのように一回出荷すると改善するのが難しい製品と違い、GoogleはWebサービスなので随時改善していくことができます。そして、基盤となるシステム面のインフラが整っている。そのため、その上に載る新機能を作ろうとした場合、世に送り出せるレベルの製品が、必要最低限の時間で開発できるので、非常に早いサイクルでリリースできるのが強みです」(鈴木氏)