PC・モバイルともに拡大するリスティング広告市場
冒頭、西谷氏は「リスティング広告を利用したことがある方はどのくらいいらっしゃいますか?」と会場へ問いかけた。すると約半数の来場者が挙手。このことからも東京に限らず地方へもリスティング広告が浸透していることが伺える。
一方、市場規模の面から見ても、リスティング広告へのニーズの高さが伺える。電通「日本の広告費」2005年~2010年を元にYahoo! JAPANが作成した資料では、リスティング広告市場はPC・モバイルともに順調な拡大を続けており「その市場規模は2,000億円超にも上る」と西谷氏は紹介した。
検索エンジンマーケティングの重要性
次に最新の数値データとともに、検索エンジンのマーケティング価値について見ていこう。
既存のマス広告やターゲティングをしていないバナー広告は、ユーザーが求めているかどうかに関わらず、受動的なユーザーに向けて大量の広告を出稿する「ばらまき型」であるのに対し、ユーザーの意志で能動的に検索したキーワードに合わせてピンポイントに出稿できるリスティング広告は「一本釣り型」だと言える。
西谷氏は、「検索ワードはユーザーのニーズを表していると言われる通り、ユーザーが欲しいときに欲しい情報を提供できるというのが、リスティング広告の最大の特長だ」と説いた。
AIDMAからAISASへと人々の購買プロセスがすっかりシフトし、オンラインに限らずオフラインで何かを購入する前にも、誰もが当たり前のように「検索する」という行動をとるようになった今、ユーザーの購買行動を左右するリスティング広告の価値がよりいっそう高まっていると言える。
それを裏付けるのが、以下の数字だ。Neilsen/NetRatings「Mega View Search」のデータ※を元に算出したところ、Yahoo! JAPANでは1か月あたり27億6,072万1,000回検索されていることがわかった。また、重複があるとはいえ、検索エンジン利用者の80.8%がYahoo! JAPANの検索エンジンを利用していることも明らかとなり、Yahoo! JAPANのメディア価値の高さを示す結果となった。
2011年4月、家庭と職場のPCからのアクセス
デバイスの多様化が進む今日の最新検索動向
次に、新しいデバイスの登場によって、検索がどのような影響を受けているかを、Yahoo! JAPANの検索結果ページのPV数の推移から見ていくことにしよう。PC、モバイル、スマートフォン、iPad、それぞれのデバイスからの検索数データを西谷氏は紹介。スマートフォン、iPadといった新デバイスからの検索数は増加傾向にある中、PCやモバイルからの検索数も減少することなく推移しており、各デバイスの検索数を合計した検索需要は増加を続けていることを明かした。
続いて、各デバイスを使っているユーザー属性を見てみよう。
意外だったのは、検索の際に使用するキーワードの単語数に関する集計結果である。2語以上での検索の割合がスマートフォンでは48%と最も高くなっており、PCの43%を上回る結果となった。これには、「スマートフォンで検索ワードを入力する際に、キーワード入力補助機能を利用するユーザーが多い」あるいは「スマートフォンユーザーは検索エンジンを使い慣れているユーザーが多い」などの原因が考えられる。
「スポンサードサーチの入札キーワードを選定する際に、これらのデータを活用してもらいたい」と西谷氏はアドバイスを送った。
4つの成功事例から見るROI最大化のヒント
ここからは、実際にスポンサードサーチを活用することで、大きな成果をあげている企業を4つ紹介していこう。
株式会社パレックスジャポン
パレックスジャポン社は、もともと百貨店などに店舗を構え、贈答品としてプリザーブドフラワーの販売を行ってきた。販路拡大をするためにショッピングサイトを立ち上げ、同時にスポンサードサーチの「アシストプラン」を利用して、導入を開始した。
その結果、出稿開始当日に受注を獲得したほか、出稿開始から1年で売上は3倍に。メール受注だけでなく、電話問い合わせも増え、大量受注につながったケースもあるという。アシストプランは、3万円でYahoo! JAPANのスタッフから、キーワードや広告文、入札価格の提案を受けられるスタートパックとなっている。
株式会社サティスホーム
注文住宅を取り扱うサティスホーム社は、ターゲット層が子育て世代(30~40代)であり、Yahoo! JAPANのユーザー層と重なることからスポンサードサーチを導入。三重県という自社の商圏に合わせた地域ターゲティング機能を活用することで、無駄な配信を避け、さらに広告文の中に「四日市」「津」などの地名を入れることで、ターゲットに該当しないユーザーからの無駄なクリックをしっかり排除。出稿開始から5年で、受注件数が2倍、アクセス数は8倍という高い効果を上げている。
株式会社ベネッセコーポレーション
ベネッセコーポレーション社では、0~6歳をターゲットとした通信教材「こどもちゃれんじ」でスポンサードサーチを活用。資料請求件数は出稿前の数十倍の規模に拡大したという。サービス名などの直接的なキーワードで検索する顕在顧客に加え、「おむつはずれ」「ひらがな練習」など、子育て世代が気になるキーワードを幅広く網羅することで、潜在顧客の新規開拓に成功した。入札キーワード数は40,000にものぼり、ひとつひとつは検索数の少ないニッチなワードでも、キーワード自体のバリエーションを広げることで、幅広くリーチすることができる。
また、ターゲットとなる夫婦世代と親和性が高いデバイスである携帯電話でも、スポンサードサーチ(モバイル版)を活用したプロモーションを展開している。
株式会社ラプラス
ラプラス社は、生産材を取り扱うBtoBの専門商社だ。同社では、商品の型式・品番といったニッチなキーワードに入札することで、競合他社が少ない領域を見つけ、比較的低い入札価格で上位掲載を実現している。その結果、確度の高いユーザーの誘導に成功し、導入から7ヶ月でページビューが2倍、売上が3倍に増加した。
最後に西谷氏は、この秋、スポンサードサーチはVer.3へと進化し、スマートフォンに絞った広告配信が可能となることを発表。新しいデバイスが普及する中で、検索に対する需要は一段と高まっていることを踏まえ、顕在化したニーズに対して広告を配信できるYahoo!リスティング広告を今後も活用して欲しいとし、本講演を締めくくった。
Yahoo!リスティング広告の最新導入事例をSelectbox(セレクトボックス)にて無料公開中。資料ダウンロードはこちらからどうぞ