ビックカメラとヨドバシカメラを比較
通常は自社サイトと競合サイトで比較を行いますが、今回は競合と思われる2つのサイトを分析してみました。自社サイトと比較する場合は、アクセス解析ツールなどでより正確な情報が取得出来るので、それらの数値を使いましょう。
さて、今回比較するのは「ビックカメラ」と「ヨドバシカメラ」という皆様ご存知の家電量販店のサイトです。家電量販店の売上ランキングとしてはそれぞれ、5位(6082億円:2011年)と4位(6836億円:2011年)になります。 (情報元:「JC-NET」)規模も近いこの2つの企業のウェブサイトの特徴を分析してみます。
1:競合のIR情報を確認する
まずは売上をもう少し細かく見てみましょう。「ヨドバシカメラ」は家電量販店の業界の中でも公開されている情報がすくないではほとんど情報を公開していません。株式公開していない事もその一因かと思います。得られる情報は「会社概要」に書かれている情報がほぼ全てです。「ビックカメラ」は東証一部に上場していることもあり「IR情報」が非常に豊富です。決算月が違うものの、同じ年度で売上を並べてみました。
どちらも2008年までは右肩上がりで、ここ数年は横ばいという事がわかります。更に経常利益と利益率をプロットしてみました。
売上はヨドバシカメラとビックカメラではほとんど変わりませんが、経常利益と利益率はヨドバシカメラが高いことがわかります。
特に2009年~2011年にかけて売上は伸びていないのですが、利益率が約2倍になってます。逆にビックカメラはここ数年での経常利益と利益率が減少している事がわかります。原因分析などは本編から逸れてしまうため行いませんが、このような違いがある事を理解しておきましょう。得られる売上や利益によって、ウェブサイトや集客にかけられるコストも変わってきます。
情報を細かく公開しているビックカメラの最新の決算資料を確認してみましょう。第2四半期決算説明会の中にインターネットショッピングと通信販売チャネルの売上情報が記載されていましたので、そちらを紹介いたします。
「当社通信販売売上高推移」というグラフが通販チャネルの売上になります。ここ数年の全体の売上で見ると横ばいになっているビックカメラが、通販チャネルではここ数年順調に売上を伸ばしていることがわかります。3年間で200億から400億近くまで売上を伸ばしています。
また、全体の売上から見ると通信販売チャネルの売上は約6%を占めている事が分かります。この点からネットにどれくらい力をかけたり、リソースをかけたりしているかが推測出来ます。そして数百億円の売上があるという事は、ネットにかけられる広告予算の上限なども見えてきます。
自分が競合の家電量販店のウェブサイトを担当していたら、自社の広告予算の割合や人員数などが分かるかと思いますので、推測をしてみるのも面白いでしょう。