時代に取り残されないためのサイト構築・運用
冒頭、高沢氏は「個客(個々のお客様)との絆を生み育てるWebサイトの要件は、2つあると考えている。できるだけたくさんの情報を出し、たくさんの情報を見て欲しい、という企業側の都合だけで、サイト作りをしてはいけない」と強調。ソーシャルの普及、デバイスの多様化といった、サイトを取り巻く環境が劇的に変化する中、従来通りのサイト構築、運用法では時代に取り残されてしまう可能性があるとした。
では、高沢氏が言う2つの要件とは何だろうか? それを読み解くキーワードは、ユーザー視点に立ったコンテンツの運用・管理と、顧客へのおもてなしを実現するエンゲージメントの構築だ。それぞれを紹介していこう。
コンテンツ運用・管理~ビジターの期待に沿った情報の提供
マルチデバイスの時代の現在においては、それぞれのデバイスでユーザーが求めている情報は異なり、画一的な情報は求められていない状況だ。ビジターの期待 に沿うためには、各デバイスに合わせたレイアウトやナビゲーションへの気配りが不可欠となる。そのためには「ビジネスユーザが作成したコンテンツを一括管理することで管理の負担を減らし、さらに、開発者とデザイナーがデバイスごとに定義した最適な表示形式(プレゼンテーション)でコンテンツを自動的に表示させる必要がある」と高沢氏は指摘。
「また、将来(または過去)の特定の時間に、デバイスごとにどう表示させるかを確認できることが重要だ」(高沢氏)
さらに、メニュー・ボタンなどのレイアウトを部品化しておくことで、マルチデバイス対応の際の作業効率を格段に向上させることができる。コンテンツは別で一括管理しているので、レイアウトを再利用しながらデバイス毎に組み替えるだけで、新たなデバイスが増えた時でもスムーズな最適化が可能だ。
エンゲージメント~ニーズを察した「おもてなし」によるロイヤリティの醸成
マルチデバイスやソーシャルメディアの普及によって、個客との接点が増えれば増えるほど、五月雨式のマーケティング活動に陥ってはいないだろうか。個客を顧客にするためにかかる時間が長期化している中、従来のアクセス解析に加えて、プロファイリングを用いたビジター行動分析が大きな力を発揮すると高沢氏は語る。
「サイト訪問者の全ての行動をリアルタイムで分析し、想定される属性や好みに応じて、適切なタイミングで、適切なチャネルを通じて、関連性のあるコンテンツを配信することで、個客をもてなすことができ、結果ロイヤリティ の醸成につながる。しかし、マーケターの要求に応じて毎回プログラムを組むのは、相当な開発量となり、個別対応することは現実的ではないだろう。そういっ た場合は、リードナーチャリングのシナリオ作成機能を備えたシステムで可能な限りマーケティング活動を自動化し、素早く仮説・検証を実施し最適化を図ることをお薦めしたい」
ここから、高沢氏はこれらの課題を解決するためのプラットフォームとして、「Sitecoreカスタマーエンゲージメントプラットフォーム」を紹介。同製品は今回紹介した要件を満たす様々な機能を搭載している。製品概要や同製品を利用する企業の導入事例などは、講演資料にまとまっているので、ぜひダウンロードして確認していただきたい。