強烈なプレゼンを見せる、アメリカのマーケターたち
前回紹介したキーノート以外にも「スティーブ・ジョブズ」の著者Walter Isaacson氏の講演や、クーポン共同購入サービス「LivingSocial」を提供する、LivingSocial社シニアバイスプレジデントのMitch Spolan氏の強烈なプレゼンテーションもありました。
Spolan氏は、「Presentation Rocks」と題したプレゼン技法のセミナーセッションでも講演しており、キーノートで使用したプレゼン資料を用いて、聴衆を飽きさせないプレゼン技法、資料作成方法などをレクチャーしました。
「派手なアニメーションや枚数の多いプレゼンテーションはダメと言う人もいるが、今はきれいなデザイン、写真、アニメーションを付けることができるので、それを使わない手は無い。写真よりもムービーの方が目を引くのは明らかだ。iPhone等で簡単にムービーを撮ることもできるようになったのに使わないともったいない」など、Spolan氏なりのプレゼン哲学を披露しました。
細かい画像作成やスライド作成のtipsもたくさん飛び出し、私も大変参考になりました。また会場からの質問に対し、「1つのスライドに3時間ぐらいかけることもよくある。良いプレゼンテーションができるなら、それくらいの労力は厭わない」と回答し、観客をうならせていました。
広告主として、唯一のキーノートはコカ・コーラ社のシニアバイスプレジデント(統合マーケティングコミュニケーション担当)のWendy Clark氏の講演。Wendy Clark氏も非常にパワフルなプレゼンテーションを披露しました。
講演内容は、コカ・コーラ社が今後のマーケティングの指針の1つに置いている「Liquid & Linked(リキッド・アンド・リンクド)」についてであり、なぜこのような考え方が生まれたのか紹介してくれました。
Wendy Clark氏の発言の要約は次の通りです
ソーシャルメディアやモバイルデバイスが人とのつながりを変えた結果、コンテンツはソーシャルグラフ上でリアルタイムに拡散するようになった。それは、これまでのようにユーザーをコントロールする側がいても、いなくてもだ。この変化に対応する考え方が『Liquid & Linked』と言える。ストーリー性のあるコンテンツ、体験、会話が流体のごとく拡散する中、つながりが価値を生む時代となった。Liquid & Linkedは、その時代に合わせたマーケティング戦略と言える
次に、この考えを元に行われたキャンペーン事例を紹介した後、Liquid & Linkedを実現するためのキーワードとして“Be Shareworthy”を挙げました。
”Shareworthy”は、今回のカンファレンスのキーワードの1つであり、シェアする価値のあるコンテンツならば、消費者は能動的に拡散し、つながりを広げてくれ、絆を強固にしてくれる。この視点を持つことが、ソーシャル活用には必須という点をWendy Clark氏も強調されていました。