SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

イベントレポート

注目キーワード”SO-LO-MO(Social + Local + Mobile)”
位置情報系サービス×マーケティングの最新動向

”SO-LO-MO(Social + Local + Mobile)”

 その他、今回のad:tech NYでキーワードの一つになっていたのが、”SO-LO-MO”です。

 Social + Local + Mobileの略で、モバイルに位置情報を足してさらにそれをソーシャル的に利用しようとする動きを指します。FourSquareは日本でも知られSO-LO-MOサービスの1つだと思いますが、出展ブースには複数の関連テクノロジー企業や、セミナーにおいても興味深い事例が発表されていました。

 SO-LO-MO関連のセミナーでは、「Hyperlocal is Hot Targeting and Personalizing Ads Based on Context and Situation」を聴講しました。登壇者はimmrのPhil Hendrix博士、位置情報分析/提供会社GeoIQのCEO、Frank Moyer氏、位置情報を加味した広告配信が可能なJiWireのシニアバイスプレジデント David Staas氏、ソーシャル渋滞情報サービスWazeのバイスプレジデント Di-Ann Eisnor氏、広告主からは、米国任天堂のリテールマーケティング担当 Phillip Raub氏とペプシコーラのソーシャル戦略担当 George Smith氏です。

 冒頭、モバイルデバイスはGPSだけでなく、カメラ、QRコード、NFC (Near Field Communication)など、他のセンサーも使えるのでそれらとロケーションサービスやソーシャルプラットフォームとつながることで、大きな可能性を秘めているという話があり、いくつかの事例が紹介されました。

 私は、今回のNY訪問まで知らなかったのですが、位置情報系のマーケティングサービスが非常に進んでいるようです。例えば、GoogleMapsでもレストランの席が空いているかどうかまで表示されるような状態になっていますが、GoogleMapsだけでなく、プレゼンの中で紹介されていた、retailigence、GoodGuide、CITYMAPSといった、オンライン上のユーザーを実店舗へ送客するためのマーケティングサービスが登場しています。

 また、GeoIQというサービスはTwitterを始めとするジオタグの付いたソーシャルアクティビティをリアルタイムに分析する技術をもっています。ペプシコーラ社との事例では、昨年のスーパーボウルの際に5つの異なるCFを流し、Twitterでの反応を地理情報システムでリアルタイムモニタすることで、各地域の特性を調べ、その後のマーケティングに活かしたそうです。

 もう1つ、任天堂のローンチキャンペーンで利用されたソーシャル渋滞情報サービスWazeを活用したキャンペーンが興味深かったです。

 WazeはiOSまたAndroidベースのソーシャル渋滞情報ナビアプリ。任天堂のために、自車マークをマリオに変えて近くの小売店までナビしてくれるアプリを開発。小売店に行くとNintendo3DSが当たるというキャンペーンで、Wazeユーザーの6%強が小売店に来店したとのことです。リアルマリオもしくはリアルマリオカートさながらで、プレゼン中には触れられませんでしたが、ソーシャルというよりゲーミフィケーション的要素が商材とマッチした好例とおもいました。

 以上、3回にわたってad:tech New Yorkのレポートをお届けしました。私が全体を通じで受けた印象は、一つひとつの要素技術は決してすごいわけではない(精度は高くない)が、「まずは使ってみる。そして評価する。さらに改修する」という実行力が、スピード感を生んでおり、その点で世界との壁は厚いということを肌で感じることができました。

 しかし、課題や悩みどころは我々が日々感じているものと似たようなものが多く、ならばまだまだ我々が先手を打てることも、多いのかなとも思いました。

 他にもお伝えしたいこともありますが、これでad:tech New Yorkレポートを終わります。少しでも皆様の参考に、そして刺激になれば幸いです。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

中川 斉(ナカガワ ヒトシ)

1968年生まれ/早稲田大学卒。

コンサルティングファーム・広告会社にて、統計解析・データマイニングを軸にしたマーケティングプランニング業務に従事。専門的なデータ分析のスキルと高度なマーケティングの知識・経験の両方をバランスよく持つ稀な存在であり、近年ではマーケティングテクノロジーの開発、利用啓蒙にも一...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2011/12/22 08:00 https://markezine.jp/article/detail/14817

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング