急拡大するスマホ利用率、早い企業はもう対応を済ませている
自社サイトのスマートフォン対応を進める企業が増えてきたが、今年はメールマガジンのスマートフォン対応が他社との違いを生み出す施策になるのかもしれない。
契約数ベースのシェアで見た場合、2011年3月末時点のスマートフォン率は8.8%。これが今年3月には23.1%となり、2014年3月には43.4%まで拡大するとの予測がある。ECサイトの平均コンバージョン率(CVR)を見ると、フィーチャーフォンのCVRは1.77%だが、スマートフォンでは3.43%。また、PCとスマートフォンの比較では5.5%と2倍近くに跳ね上がるというデータもある。スマホ対応が気になる企業が増えているのもうなずける。
「いつからスマホ対応しようか」と時期を見計らっている企業が多いかもしれないが、その期限は刻一刻と迫ってきている。対応の早い企業の中には、2011年夏ごろの時点でメルマガのスマートフォン対応を済ませた企業も。しかし、サイトの最適化については参考になる情報は出はじめているが、メルマガの最適化に関するノウハウはほとんど明らかになっていないのが現状だ。
メルマガのスマートフォン最適化は、一体どのように進めればいいのだろうか。メール配信システム「MailPublisher」を2月28日にバージョンアップし、スマートフォンを自動識別してメール配信を最適化する機能を業界で初めて実現する
エイケア・システムズ株式会社マーケティング部 吉澤和之氏に話を聞いた。●ホワイトペーパー公開中
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メルマガのスマホ最適化、最初の壁は「端末の識別方法」
メール配信においてスマートフォン最適化が急がれる理由には、次の2つがある。
・メール内のリンク先携帯サイトがスマホ非対応の場合、表示されないことがあり、
機会損失や企業のイメージダウンにつながる。
・スマホのメール受信方法には「画像参照型(一般的なPCのHTMLタイプ)」と
「画像添付型(デコメタイプ)」の2種類あり、タイプによってはレイアウト崩れを
起こすことがある。
いずれも、企業としてはなんとしても避けたい状況である。
これらの課題を解決する前提となるのが、「メールの配信先が、スマートフォン
なのかフィーチャーフォンなのかの判定」だ。しかし、メールアドレスでPCと携帯電話を見分けられたのとは事情が異なり、メールアドレスからスマートフォン とフィーチャーフォンを完全に見分けることはできない。唯一確実な目安となるのが、ソフトバンクがスマートフォン向けに用意した@i.softbank.jpだけなのである。「スマホ対応を始めようとしたところ、どのユーザーがスマホかがわからないという壁にいきなりつまづいてしまう。どうすれば良いのかと悩まれる企業が多いようです
」という吉澤氏の言葉に、うなずく人も多いだろう。それでは、業界初のスマートフォン 自動識別機能を備えたMailPublisherは、スマートフォンとフィーチャーフォンをどのような手法で判別しているのだろうか。●ホワイトペーパー公開中
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スマートフォンを判定するだけでなく、端末ごとの仕様の違いにも対応
MailPublisherは、メルマガ内のURLクリック、コンバージョンや会員登録時などに、ユーザーエージェントの情報を取得。利用端末の機種を突き止め、メールアドレスとひも付けてフィーチャーフォンかスマートフォン
かを識別する。メルマガ発行元の企業が既に独自に取得したユーザーエージェント情報があれば、追加して識別に役立てることも可能だ。まず「スマートフォン」であることが分かれば携帯サイトURLの問題は解決できるが、スマートフォンは一部の機種でデコメに対応していない。また、ドコモの「spモード」では、通常のHTMLメールの画像がまったく表示されないといった問題もある。
そこでMailPublisherでは、スマートフォン
であることを突き止めるだけでなく、そこからさらに端末を選別。上図のように、「画像読み込み型」か「画像添付型」かを選り分け、最適なメール送信を高い精度で実現している。スマホ専用プレビュー機能で、機種ごとに異なる画面サイズをすばやく確認
しかし、まだ問題がある。ご存知のように、スマートフォンの画面表示サイズは端末によってまちまち。同じiPhoneでも、iPhone 3GSは320×480ピクセルだが、iPhone 4/4Sは640×960ピクセル。Xperia acroでは480×854ピクセルとなっている。
この問題に対応するため、MailPublisherでは、スマートフォン
用プレビュー画面とフィーチャーフォン用プレビュー画面をタブ切り替えで簡単に確認することができる 。機種別に確認したい場合にはタテ/ヨコ幅をピクセル単位で指定してプレビューすることも可能。これはMailPublisherでスマートフォン向けのメールを作成する際、想定する画面サイズの検討にかかる負荷を最大限に削減するためである。デフォルトの画面サイズは、利用者数が多いiPhoneを最大公約数として320×480ピクセルとしているが、本来「最大公約数」は企業によって大きく異なる。その企業が保有する会員がどんな割合でどんな端末を使っているか、またその企業が訴求したい内容は何かなど、複数の要素が絡んでくるためだ。
プレビュー画面の切り替えを極力簡単にすることによって、自社にとっての「最大公約数」を見つけるための検討をきちんと行うことができる。「最適化の追求」と「負荷軽減」という相反する課題を解決するこの機能、業務担当者には大いに活用してほしい。
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デバイス個別の対応から、「デバイスレス環境」の実現へ
MailPublisher
は、今回のバージョンアップで「スマートフォン 端末の自動識別」と「配信前プレビューの負荷軽減」を実現。6月予定の次回バージョンアップ では、さらに業務の負荷を軽減する機能を充実させようと意欲的だ。吉澤氏は
「今の仕様では、HTMLメールとデコメを作り分ける手間がどうしても必要になります。そこも当社が吸収して、メルマガ作成の作業を簡単にする機能を出していきたいと考えています。また、スマホでGmailを見るユーザーや、iPadなどのタブレット端末ユーザーの識別機能なども、適切なタイミングでの対応を検討しています」と語る。さらなる最適化へ向けて、同社の視線はすでに次の課題に向けられている。「現在は、携帯が出てきたときと同じ状態だと思います」と指摘する吉澤氏。「今回のスマートフォン対応においても、当時と同じように最先端の機能を実現していくことで、イノベーションを生み、デバイスレスの環境を提供できるようにしていきたい」という言葉に、エイケア・システムズの業界トップランナーとしての矜持を感じた。
エイケア・システムズは、世界的なインフォーメーション企業であるExperianと業務・資本提携し、海外の最新動向を踏まえた製品開発、国内にはないノウハウの提供、先進的な事例の共有など、グローバルな展開を視野に入れている。すでに全世界に顧客を持つ親会社とも連携しながら、今後さらに成長を加速させていくことになるだろう。
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