UIのベースを作る上で、カワイイ!よりも重視するべきこと
それではUIのベースづくりからご説明します。 先程述べたように、私の場合、まずはTOPページとMYページの2ページとタイトルロゴを最初に作成し、全UIのベースにします。
最低この3つを用意し、きちんとルール化できていれば、例え途中で他のデザイナーに作業を引き継ぐことになっても、特殊なページを除き、ある程度イメージ通りのものが出来上がるはずです。
下の画像を見てください。これは私が最初にデザインしたベースの2ページです。この2つをご覧になって、何を思われるでしょうか。

デザインの統一感
TOPページとMYページが同じゲームのUIだということは何となく感じていただけると思います。ゲームのUIはそうでなければいけません。世界観を統一させるためです。「もっとサンシャイン牧場」の場合は、Myページにゲーム画面を組み込む必要があったため、ガワのUIとFlash部分との親和性にも注意を払いました。
世界観をカタチ創るスペシャリストと言えば、ディズニーランド。入口ゲートを超えた瞬間から、出口を抜けるまで、世界観が保たれ続けています。それは、途中でお客様の夢を壊してしまうようなことがないよう、あらゆる工夫が施されているからです。ゲームUIも同様で、ログインした瞬間から、何回ページ遷移しても「同じゲームの中にいる」と思わせることが重要です。
女性は夢を見たがる傾向にあります。ゲームにおいても、その世界に浸って時間を忘れたい、癒されたいという動機があるのではないでしょうか。ゲームにいる間、そうした気分でいつづけてもらうために、色味を絞り、各パーツに汎用性を持たせ、可能な部分は画像を統一するなどの工夫が必要です。
凝る/凝らない のバランス
女性向けゲームの場合、UIを「カワイく飾りたい」という気持ちが先行しすぎて、煩雑なデザインになってしまいがちです。しかし、根拠のあるデザインにするためにはルールを設定し、その範囲内でデザインすることが重要です。
そのためには、「凝る部分」と「凝らない部分」のバランスが非常に大切です。たくさんの飾り画像を使用してカワイさを表現することは簡単ですが、それだと全く根拠のないデザインになってしまいます。
例えば、AのラインとBのラインを使い分けるには必ず理由が必要です。大項目にはAを使い、小項目にはB、文言の区切りにはCなどとそれぞれに役割をつけてください。
それは、ユーザーは絵を見に来ているわけではなく、ゲームをしに来ているからです。デザインを凝りすぎて、ゲームがよく分からないものになるのは本末転倒です。実際、私も専用のライン画像として10パターン以上のデザインを考えていましたが、最終的に使用したのは4つほどです。
わかりやすいUIデザインを目指すなら、全てを盛り込もうとせずに「諦める」ことも大事ではないでしょうか。