株式会社デジタルフォレストが主催するWebマーケティングROIの祭典「第3回 WebマーケティングROI Day」が、8月1日、東京国際フォーラムにて開催された。Web解析に関する研究機関Jupiter Researchの元アナリスト、エリック・ピーターソン氏をはじめ、マーケティングの第一人者がゲストとして登場した。
基調講演に登場したエリック・ピーターソン氏は、Web解析に関する研究機関Jupiter Researchのアナリストを長年務め、2007年5月に自身が主催するWebコンサルティング会社 Web Analytics Demystified Inc. を立ち上げたWeb解析のパイオニアだ。ピーターソン氏は講演で、Web解析が多くの企業に導入されている現状を述べた後、「Web解析に投資するだけでなく、プロセスを組んで、活用することが重要だ」と述べた。その上で「米国企業で規定されたプロセスをWeb解析に活用している企業は、その50%がWeb解析に対する投資からプラスの収益を得ている」とWeb解析をどうやって活用していくか責任者を決めるなど、戦略的にプロセスを組んでいくことの重要性を強調した。
またWeb解析を十分に活用できていない企業が考えるべき点を5点挙げた。「1つは自分の会社がプロセス思考型であるかどうか、2つめに(自サイトを訪れる)訪問者が誰かわかっているかどうか、3つめにマーケティングで上手くいくもの、いかないもの違い、理由をわかっているか、4つめにデータを使ってWebサイトの変更を行っているか、そして最後に訪問者に対してWebサイトが価値を与えているか」。さらに「最も重要なのはユーザーの意見に耳を傾けながらWebサイトの改善を図っているかどうかだ」と付け加えた。会場に訪れた参加者は、ピーターソン氏から発せられる一言ひとことを漏らさないように耳をじっと傾けていた。
ピーターソン氏の講演の後には、マイクロソフトのオンラインサービス事業部 事業部長、笹本裕氏とオールアバウト 代表取締役社長兼CEOの江幡哲也氏という元リクルートの両者が登場し、「ネットとメディアの近未来」について対談を行った。インターネットは膨大な情報が検索できる一方で、ユーザーによる「炎上」や「ネットイナゴ」などの弊害も生じている。こういった状況を踏まえて、幅広い専門家を揃えた情報サイトであるオールアバウトの江幡氏は「今後も、インターネットから得られる情報のクオリティは、その重要度を増していくだろう」と予測した。
一方、マイクロソフトの笹本氏は「私たちの生活は全てがサーチ(検索)。近い将来、インターネットの世界はパソコンという感覚ではなく私たちの日常の一部になるだろう」と語り、同社から年末にも発売される、マルチタッチを採用した新しいテーブル型PC、Microsoft Surfaceのサービス説明などを行った。
【ご案内】
今回、イベントを主催したデジタルフォレストはMarkeZine主催のセミナー型イベント「MZ Day
2007」でも講演予定です(9月7日)。ぜひご参加ください