ソーシャルゲーム開発サービス「ソクツク」は、プログラミングすることなく、専用の管理画面でゲームを開発し、携帯画面で動作確認することができる。自社環境にインストールして利用する形式で、料金は月額9万5000円。プラットフォームはモバゲーとグリーに対応。スマートフォンとフィーチャーフォンの両方に対応し、絵文字も利用できる。
発表を行ったスングーラ代表取締役社長の尾藤正人氏は、カードバトルゲーム以外のジャンルのエンジンの開発については、「つくりたい意向はあるが未定」と回答。また、今後追加予定の機能としては、レイドボス、コンプガチャ、進化合成などがあるという。
ソクツクでできるのはここまでで、ゲームをリリースするときは別途「ソクゲー」というゲームエンジンの契約が必要になる。1アプリごとにライセンス料も発生する(モバゲー/グリー両方提供でも1アプリ換算)。ただし、契約時にはソクツク利用料金が自動的に値引きする。つまり「ソクツク」は、「ソクゲー」というゲームエンジンを月額で利用可能にするサービスという位置づけになっている。
尾藤氏は、ゲーム開発サービス「ソクツク」とゲームエンジン「ソクゲー」というサービスを提供するねらいについて次のように語った。
「今までのゲーム会社はプロデュースもシステム運用もなんでもやるという提案をする。でも、僕らはそれをやってはいけないと思っています。ゲームのプロデュースや素材作成、カスタマーサポートもやりません。やるのはソクゲーのエンジン開発のみです。なぜかというと業界標準のソーシャルゲームエンジンをつくりたいからです。」
「ゲームエンジンを自社で持っている会社は、短いスパンでゲームを出せますが、そうじゃない会社もあります。我々は業界標準でつかえるエンジンをつくりたい。でもエンジンは、リーズナブルな価格を維持しないと使ってもらえません」と語り、エンジン開発だけに注力することで、価格を抑える意向を明らかにした。「価格を抑えないとソクゲーをつかって利益をあげられると思ってもらえないですから。」
スングーラはエンジン開発だけを行う代わりに、他社との協力体制を構築。ソクツクは、マイクロソフトとクレッシェレのクラウド環境を利用した開発が可能となっている。
今回の説明会は、日本マイクロソフトの会議室を会場にして行われた。尾藤氏の発表に続いて、マイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure」についての説明も行われ、アプリケーション開発にのみ注力できるPaaS環境のメリットや同社の多様な事例を紹介。その中には、昨年末行われたmixiのキャンペーン「mixi Xmas」も含まれ、250万人が参加し、ウェブ上で1.8億回クリスマスベルが鳴らされた巨大キャンペーンをAzureが支えたことが明らかにされた。
【関連記事】
・月額9万5000円でソーシャルゲームが開発できるサービス「ソクツク」
・KLab、アメリカに現地法人を設立 国際分業体制でソーシャルゲームを開発
・タイトーとJR東日本企画、モバゲーでGPSをつかったソーシャルゲーム
・富裕層マーケティングで人気の2つのゲームアプリ
・DeNAとディズニーが提携、ソーシャルゲームを国内外で展開