この春からWeb関連会社に入社した方や、部署異動などでWeb関連の仕事に携わるようになってきた方など、Web初心者のためにSEOの入門編をお届けします。
SEOとは、Search Engine Optimization、“検索エンジン最適化”のことです。ひとことで言えば「Webサイトを検索エンジン向けに最適化すること」です。最適化について、順を追って見ていきましょう。
SEOは、第一のゴール「流入者数の増加」を達成するための手法の1つ
まずは、Webサイトそのものについて考えてみましょう。世の中には様々なWebサイトが存在し、Webサイトの数だけ様々なゴールが存在します。例えば、あるWebサイトは資料請求が、あるWebサイトについては商品の購買がゴールであったりします。中には、Webサイト上だけではなく、実際の店舗に足を運んでもらうことが最終ゴールであるケースもあります。
ただし、上記のような最終ゴールを達成するためには、ユーザーを自社サイトに招くこと、「集客」という関門を必ず通らなければなりません。自社サイトを1つの営業ツールとして考えた場合、Webサイトへの「集客」はマーケティングの基本であり、集客なしではゴールにたどりつくことができないのです。自社サイトに来てもらい、Webサイトを見てもらわない限り、サービスや商品の宣伝ができないためです。
よって、多くのWebサイトでは、最終ゴールを達成する一歩前の目標として、「流入者数(訪問者数)の増加」を第一のゴールとしています。Webサイトの「流入者数の増加」のためにはたくさんの手法が存在しますが、SEOはその多くの手法の中でも“検索エンジン経由の流入に特化した手法の1つ”といえます。
SEOと検索エンジン経由の流入がどのような関係であるのかを知るために、検索エンジン経由の流入について考えてみましょう。
SEOとは、検索エンジンに「必要な情報」を提供するための自社サイト最適化
ユーザーはPCやモバイルなどから、情報を探すために「検索」をします。例えば、Googleという検索エンジンでキーワードを入力して「検索」すると、「検索結果」が表示されます。この「検索結果」に表示されたURLをクリックして、Webサイトにたどりつきます。これが検索エンジン経由の流入となります。
ユーザーのゴールは「必要な情報にたどりつく」ことで、検索エンジンのゴールは「ユーザーが必要とする情報にたどりつかせる」ことです。つまり、ユーザーと検索エンジンのゴールは一致します。
では次に、SEOのゴールについて考えてみましょう。SEOのゴールは、「ユーザーを自社サイトにたどりつかせる」ことです。SEOのゴールと検索エンジンのゴールの違いは、「必要な情報」と「自社サイト」です。この違いを一致させることがSEOの基本となる考え方となります。
つまりSEOとは、検索エンジンが探している「必要な情報」になるために自社サイトを「最適化」することといえます。
「検索順位が上がるほど成果も上がる」は正しくない
「SEOの目的は、検索結果の1位になることだ」と誤解している人も少なくありませんが、これは誤解です。この誤解は、「検索順位が上がるほど成果も上がる」という考えから生じているのですが、事実ではありません。検索順位は、SEOの効果測定を行う上で役に立つ指標の1つであることは確かですが、それでSEOを実施する目的を達成できるわけではありません。
繰り返しになりますが、SEOのゴールはユーザーを自社サイトにたどりつかせて、自然検索経由の流入数増加を実現することです。過程の副産物である「順位」がゴールになってしまうと、SEOは方向性を失ってしまいます。「SEOを通じて求める結果は何なのか」を明確にした上で、最適化施策に取り組んでいきましょう。