スマートフォンゲーム市場の「拡大戦争」
アドウェイズでゲームコンテンツのプロデュースやディレクションなどを担当している桑田です。代表作は「カイブツクロニクル」ですが、現在は新作に注力しており、夏前くらいから複数タイトルをリリース予定です。私自身は広告会社に身を置きながらも、ゲーム制作を行うポジションという特殊な立ち位置にいます。
スマートフォンにおけるゲーム市場は飛躍的な速度で拡大をしており、現在は250億円ほどの市場ですが、3年後の2015年には実に10倍の2,550億円の市場になるという調査結果も出ています。今後はそれ以上の速度で成長しているソーシャルゲーム市場が混ざり合ってきますので、市場の成長速度や規模だけで考えると、コンシューマゲーム業界並みの規模になるのもそう遠くない未来だと考えられます。
そんなスマートフォンゲーム業界について、広告事業者ではなくゲーム屋として、今後の変化について予想をしてみようというのが今回の記事の目的です。なお現在、Androidのシェアが伸びていますが、アプリ事業においては依然iPhoneが強くAndroidはそれに追随する形ですので、iPhoneおよびApp Storeを中心に記していきます。
戦争が終わり、次の戦争が始まった
スマートフォンゲームは、どのような歴史をたどってきたのでしょうか。一番はじめにゲームらしいゲームが表に出たのは、2008年6月9日の「WWDC 2008」におけるアップルのプレゼンです。iPhone 3Gの発表の中でApp Storeが紹介され、ゲームがデモンストレーションされています。同年7月10日未明(ちょうど4年前)、iPhone 3Gの発売と同時にApp Storeは正式オープンし、スマートフォンゲーム市場も生まれたのです。
誕生から4年という新しい市場なのですが、その歴史はバラエティに富んでいます。そこで、未来の予想をする前に毎年末にアップルが発表する資料「iTunesリワインド」を使って過去を振り返り解説してみます。