SNS化されるLINE、進化の方向は正しいのだが……
7月3日(火)に、LINEは初のカンファレンス「Hello, Friends in Tokyo 2002」を、渋谷・ヒカリエホールで大々的に開催した。LINEの特徴であるスタンプのユニークなキャラクターがスクリーンを縦横無尽に走り回る一方で、世界を意識してか投影される発表資料はすべて英語であった(発表者は日本語を話していた)。
ここで、いくつか大きな発表があった。最後のほうでおまけのように発表され、当日の空気感も微妙だったKDDIとの提携がその夜のテレビニュースでは最も大きく取り扱われていたのはちょっと笑ったけど、重要なのはプラットフォーム戦略が明らかにされたことだろう。
連携アプリなどパートナーとつなぐ「LINEチャネル」の提供に合わせて、ユーザー同士のソーシャルネットワーク機能も強化される。自分の「HOME」があり、チャネルや友人のアクティビティが「TIMELINE」に表示される。完全にSNS化される方向であり、築き上げたリアルグラフを有効活用しようという目的が明確で、あるべき進化のように思える。

ソーシャル化でLINE本来の魅力が失われる?
ただし、ソーシャル化にあたってはかなり慎重なサービス設計が求められるだろう。前述したように、LINEのアカウントは携帯電話番号と紐付き、友達関係は電話帳と一致している。このように極めてプライベートなリアルグラフ上では、プライベート情報の扱いが難しい。
Facebookのようにデフォルトがオープンに向かうサービスは、常にプライバシー問題の批判に直面しているし、現在のLINEにあるクローズドなプライベートチャットの安心感が減少してしまう。逆にクローズドに向かいすぎると、ソーシャルのダイナミックさ、うねるようなバイラルは生まれにくい会員制サイトになってしまう。
電話帳によるリアルグラフという一点突破を徹底したLINEだけに、ソーシャルのさじ加減をどのように設計するのか、今後の動向が注目される。