まず押さえるべき4つのポイント【(3)、(4)】
(3)利益シミュレーションを徹底する
続いて、利益を出すために「利益試算(シミュレーション)を徹底」していきます。
ごく当たり前のことですが、EC事業を維持・拡大させるためには、売上を伸ばすだけではいけません。絶対量としての利益が必要となるのです。コストに上回る売上を上げ、利益を出し続けなければ、事業継続はかないません。
ECサイトをを立ち上げる前に、「売上試算」と「コスト試算」の両軸を行ない、「利益試算(シミュレーション)」をとことん徹底していきましょう。シミュレーションは机上でのことではありますが、常に数値感覚を研ぎ澄まし、最終利益をあげるための、さまざまなシミュレーションを繰り返すことが、必ずやECサイトの安定性をもたらすことになるでしょう。
「集客コストにいくらかけて、購入数をこれくらい上げて、そのうちリピートでこれくらい戻ってくれば、利益がでる!」。このような数値の見通しを常に頭の片隅に置き意思決定を続けることが、売上は上がるがコストも高いショップではなく、きちんと利益性の高いショップを作るための基本中の基本なのです。
数値のシミュレーションにおいてはさきほども紹介したような「集客 > 購入 > リピート」の顧客育成の歩留まり計算や、「商品単価×購入点数×購入回数」による一人あたり売上などを試算していくことになります(詳しくは後編で解説します)。

(4)競合・業界を知り尽くす
最後に、競合に打ち勝ち、業界内で一目置かれるため「競合・業界」を知り尽くしていきましょう。
これまで紹介した押さえるべきポイントの3つは、あくまで自社とお客様の二方向関係のみの視点でしたが、ここでは第三者としての競合や、包括する業界そのものについてフォーカスをしてきます。
まず、これからECサイトを立ち上げるということは、かなりの後発であることを肝に銘じてください。各業界において、競合ショップ達がお客様たちをファンにつけ、長期に渡り商いを続けています。長年の販売期間において先行して売上を伸ばしてきたこのような先輩ショップたちからは、学ばせていただける点が山のようにたくさん存在します。先輩ショップである競合店舗各社が、これまで培ってきた試行錯誤と各種改良を、学ばないわけにはいきません。これらを素直に評価し、吸収することから初めましょう。
また、自社が該当する業界によって、ECショップとしてのあり方や、気をつけるべき業界固有の事情があることがあります。業界特有の課題などについても、次々回の後編にて紹介していければと思います。

今回はECスタートアップの際、押さえるべき4つのポイントについて、まずは全体像をご理解いただきました。中編と後編では、より深堀りして具体的なイメージをより掴んでいただきたいと思っています。