スマホ広告設計のカギはユーザーの接触シチュエーション
では、スマートフォン広告において、いかにCTRを高めていけばいいのだろうか。その手法はあまた存在するが、スマートフォンならではの検討課題の1つがシチュエーションだ。ユーザーは1日中スマートフォンを持ち歩くからこそ、ユーザーへ接触するシチュエーションが非常に重要になる。
例えば、平日昼間に乗換案内を利用するユーザーは、「移動する直前や移動中に交通手段を探している忙しいユーザー」である可能性が高いと想定できる。もし、実際に忙しいユーザーだった場合、たとえピンポイントでユーザーニーズに合ったターゲティング配信できたとしても、スルーされるかクリックしても情報を消化する前にサイトから離脱してしまう確率が高い。忙しい事に加え、サービスを利用する目的がハッキリしている可能性が高いからだ。このケースの場合は、シンプルなメッセージでアプローチするのが良さそうだ。
一方、自分のタイミングで開封できるメールや、比較的くつろいだ状態や目的なく暇潰しで閲覧することも多いブログなどでは、広告接触態度が良好なユーザーが多い。21時~午前2時頃にかけては、更にこの傾向が顕著になるかもしれない。
このように、スマートフォンにおいては接触するシチュエーション(曜日、平日・祝祭日、時間帯、イベント、etc.)によりCTRが大きく変化しやすいため、シチュエーションを加味した設計が重要になる。
スマートフォンネットワーク広告攻略のカギは、トレーディングデスク
来年にかけて、スマートフォン広告においてもDSPやレコメンドリターゲ、第3者配信などのアドテクノロジーが急増する。システムや裏側の仕組みを含めたアドテクノロジーの知識がなければ、みすみす機会損失を増やすことになるだろう。だから、これから対スマートフォン/アドテクノロジー/メディア特性理解/情報収集力を含めた深い専門知識がますます重要になってくる。
ただし、専門知識だけでなく、重要なのは施策の実行力。つまりはオペレーション力、すなわち一貫した運用体制が必要になってくる。運用設計が細かくなるほど人力だけでは対応しきれないため、専門ツールも必要になる。そこで、スマートフォンネットワーク広告を攻略するために、専門知識・体制・ツールを有したトレーディングデスク機能の必要性が浮かび上がってきた。
トレーディングデスクとは、直訳すると取引の売買・交換を取りまとめる人・組織・機能のこと。特にネット広告業界では、アドネットワーク・DSPなど、管理画面から入札(買い付け)・入稿(クリエイティブ)・ターゲットオーディエンス設定・キャンペーン設計などが可能な広告商品をまとめて統合管理し、広告効果を最大化させるための組織を指すケースが多い。現時点では「人」による統合運用組織を指す場合がほとんどだが、今後は効果最大化の過程で、より細かい運用設計・ロングテールのカバー・統計データ処理などへの対応が必要になり、「ツール(機械)」を合わせたハイブリッド型のトレーディングデスクが増えていくだろう。
広義において、トレーディングデスクは、(ネットワーク広告をCPAベースで最適化するにとどまらず)SEMはもちろん、アトリビューション分析による予算再配分や、レコメンドリターゲティング、場合によってはリッチメディア広告(動画)配信の企画/制作/KPI設定なども対象範囲に含まれる。
オプトではスマートフォン専門トレーディングデスクを新設し、スマートフォンのネットワーク広告における統合運用サービス提供を開始。また、弊社グループ会社のエスワンオーインタラクティブでも、DSPを活用した運用コンサルティング「Android Marketing Platform」を提供しており、スマートフォンでは業界の先駆となるアトリビューション分析を提供している。