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「お金を振り込んだのに商品が届かない!」インターネットショッピングモールの「はてな?」その1

インコの病原体が原因で家族が死亡したケース

 インターネットショッピングモール(以下、ISM)の運営者の責任を考える場合において、参考となる裁判例があります。この裁判例は、スーパーマーケット店内でペットショップを営んでいたテナントが販売したインコが保有する病原体が原因となってインコを購入した者の家族が死亡した事案です。

 この事案においては、スーパーマーケットが営業の主体であると一般の消費者が誤信するような外観があり、その外観を信頼してインコが購入した者がスーパーマーケットを営業主と誤信したとして、名板貸(ないたがし)人の責任を定める旧商法23条(現商法14条、会社法9条)を類推適用して、テナントのペットショップが負担する「インコ販売」という取引に起因して生じた債務について、スーパーマーケットの責任を認めました(最判平7・11・30民集49・9・2972)。

ショッピングモールとショップどちらが責任を負うのか?

 したがって、ISMにおいて、ISMの出店者の営業がISMの運営者の営業であると一般の消費者が誤認するのもやむを得ない外観が存在し、当該外観の作出についてISMの運営者に帰責事由があり、当該消費者が重大な過失なくして営業主を誤認して取引した場合には、名板貸人の責任を定める規定の類推適用によりISMの運営者が責任を負う場合があります。

本稿中、意見にわたる部分は、筆者個人の見解を示すにとどまり、筆者の所属する法律事務所の意見を表明するものではありません。また、具体的事案により本稿中とは異なる結果が生じる場合があります。
ネットショッピングモールの担当者に「売上げが毎月100万円達成できる」と言われたのに達成できず、騙された。ISMの運営者に対し、モール家賃を取り返すのは可能?
インターネットショッピングモールの「はてな?」その2はこちらから

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この記事の著者

笹倉 興基(ササクラ コウキ)

弁護士(東京弁護士会所属)。1995年早稲田大学法学部卒業。1999年弁護士登録。黒田法律事務所において、特許権、商標権及び著作権といった知的財産権に関する案件、ベンチャー企業の支援を担当している。また、M&A・事業再生・リストラクチャリングや民事再生などにも注力しており、ビジネス法務の分野において第一線で活躍中。ネットビジネスに関連する法律に精通している。
www.kuroda-law.gr.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/09/03 12:00 https://markezine.jp/article/detail/1662

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