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話題のCriteo広告を出すために必要なデータフィードの概念と仕組みとは?【アドテクノロジー基礎講座第4回】


 前回はDMP(Data Management Platform)について解説を行いました。今回はATARAの杉原氏に「データフィード」について、解説していただきます。高精度のパーソナライズドを実現するCRITEOのリターゲティング広告の仕組みなど、アドテクノロジー業界のホットトピックスに迫ります。(バックナンバーはこちら)

まずは、データフィードが注目されている背景を理解しよう

 この頃よく耳にするようになった「デジタルマーケティングの自動化」ですが、その概念自体は、何年も前から存在していました。そして一部では実際に取り組みも行われてきました。ところが一口に自動化と言っても、様々な領域の自動化や、異なるアプローチがあります。今回は企業がデジタルマーケティングを通じて「見込み客に接触するための自動化」について取り上げていきます。

 それではEC事業者を例にあげて、デジタルマーケティングを取り巻く環境の変化から見ていきましょう。現在、EC企業は下記の3つの課題を抱えています。

EC実施企業が抱える3つの課題

(1)見込み客の分散化が進み、人力で顧客を捕まえる網を拡げることが困難になった
(2)すべての商品やバリエーションで勝負しないと競争優位に立てない
(3)常に最新の情報鮮度を保たないと、コストも増え、顧客満足も低下する

1. 広く網を張らないと見込み客を獲得できなくなった

 インターネットやパソコン、携帯電話/スマートフォンの爆発的な普及により、消費者は自分の好きなデバイスを使い、様々なメディアから情報を得ることができるようになりました。その結果、EC企業の場合、商品を購入してくれそうな見込み客がネット上の様々なサイトに点在してしまう状況になりました。

 このように消費者が分散してしまうことを「フラグメンテーション(分断、分散、断片化)」と言います。つまり、消費者が時間を費やすメディアが分散したという視点で見ると「メディア・フラグメンテーション」、消費者が数多くのデバイス、メディアに分散したという視点で見ると「オーディエンス・フラングメンテーション」と言います。

 では、点在する見込み客にどうすれば接触できるのでしょうか?答えは簡単です。網を拡げればいいのです。

2. 商品点数が多く、すべてを更新するのは大変

 しかしながら、言うは易く行うは難しです。「網を広げる」と言うのは簡単ですが、規模が大きなECサイトになってくると、その商品点数やバリエーションは軽く何万、何十万という数になってきます。これらを複数のショッピングサイトに出店し、商品毎に広告を出し、SEO対策をするとなると、手作業で網を広げるのは実質不可能になります。この場合、企業は高いコストをかけて人海戦術を取るか(それでも全てに対応しきれない)、もしくは一部の主要商品のみに限った取り組みをするようになります。

 しかし、この対応ではインターネットの特性、ロングテールを活かせているとはいえません。そしてこのままでは競争優位性を保つことができず、さらに網を拡げることができている競合他社に見込み客をみすみす取られてしまいます。

3. 変化のスピードについていけないと競争できない

 そして、そもそもの商品数の多さに加えて、新しい商品や商品バリエーションも日々追加されます。また既存商品の価格、そして在庫も絶えず変動します。在庫切れの際、販売プロモーションもを停止しないと無駄な広告費が発生することは明白ですよね。また、せっかく検索から商品ページにユーザーが到達しても、そこで在庫切れと表示してあると二度とこのメーカーのサイトには来たくないと思うかもしれません。商品情報を常に最新を保っておくことで、実売はもちろん、イメージダウンなど大きなマイナス面を避けることができるのです。

 これからは広くスピーディに、かつ最新の商品情報をもって効果的に見込み客にリーチするための自動化、効率化を実現するために、データフィードという取り組みの必要性が増してくるのです。

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この記事の著者

杉原 剛(スギハラ ゴウ)

アタラ株式会社 代表取締役CEO
KDDI、インテルを経て、オーバーチュア(Yahoo!広告)、Google広告の広告営業戦略担当。2009年にアタラ合同会社(現・アタラ株式会社)を創業。広告プラットフォームのサービス立案やオペレーション設計が得意で、Google広告、Yahoo!広告、Criteo、Facebook広告、Instagram広告、X(旧Twitter)広告、Amazon広告、Microsoft広告、リテールメディアなどの最新情報...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/04/15 12:54 https://markezine.jp/article/detail/17425

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