Googleの調査レポートが示す「新しいマルチスクリーンの世界」
マルチデバイス、マルチシーンのウェブの世界をまさにデータで裏付けるレポート“The New Multi-screen World”(PDF)を、Googleが2012年8月に発表しました。これは、クロスプラットフォームにおけるユーザー行動に関するレポートでマルチスクリーンにおけるアクセス解析、デジタルマーケティングについてまとめられています。

このレポートでは、PC、タブレット、スマートフォン、TVなどを指して「マルチスクリーン」と呼んでいます。マルチスクリーン時代とは、現代の人々が複数のスクリーン、もしくは、スクリーンをもったデバイスを日常的に利用する時代です。このレポートには、主に次のことがまとめられています。
- それぞれのスクリーンにユーザーが接触する時間
- それぞれのスクリーンにユーザーが接触するシーン
- それぞれのデバイスをユーザーが活用する理由
また、それぞれのデバイスを活用する主な理由として、以下が挙げられています。
- PC → 40%が「情報検索目的」
- スマートフォン → 54%が「コミュニケーション目的」
- タブレット → 63%が「エンタメ目的」
特徴的なデバイスの組み合わせ
これらを見ていくと、「デバイスごとに利用シーンが違う」ということがレポート結果として浮かび上がってきます。またさらに、「スクリーンは2つの組み合わせで利用されている」という傾向が見えてきます。
特徴的なデバイスの組み合わせとはどういったものなのでしょうか? それは、下記の2つの組み合わせです。
- Sequential Usage(順番にデバイスを利用)
- Simultaneous Usage(同時にデバイスを利用)
この2つのうち、以下の図に示すように、モバイルで検索したあとで、自宅やオフィスで目的を遂げるSequential Usage(順番にデバイスを利用)が利用方法として大部分を占めています。まさに、マルチデバイス、マルチシーンを象徴するレポートです。

マルチスクリーン時代のウェブ解析、広告とは?
Googleのレポートからも、今後のマルチデバイスにおけるウェブ解析、ウェブ広告はさらに高度化していくと考えることができます。PCに向かったユーザーだけを解析し、広告施策を立案していた時代から、ユーザーのあらゆる行動に伴ったウェブアクセスの解析、広告戦略を考える時代に変わります。
ユーザーは、通勤時間、昼休み、就寝前などそれぞれのシーンで様々なデバイスを使ってウェブにアクセスします。時間、ユーザー属性だけではなく、シーンを加えた解析を実施し、ユーザーの行動を捉えていく必要が出てきます。
次回は、Googleのレポートをさらに詳しく見ていくとともに、これらの変化を踏まえて、マルチスクリーン時代のウェブ解析の事例、Google アナリティクスに新登場した機能「ユニバーサル アナリティクス」、そしてGoogle AdWordsの新機能「エンハンスト キャンペーン」を取り上げます。
※ご紹介した解析、広告やリマーケティングの考え方は、あくまで参考案としてご理解ください。サイトの特性により、施策がそぐわない可能性もあります。施策の成功を確約するものではありません。