DMPの導入は、広告領域だけの話しではない
―横山さんはコンサルタントとして、クライアントのDMP導入をサポートすることもあるかと思いますが、その際に感じている課題などを教えてください。

横山:私は組織のコンサルティングも行っていますが、大きな企業で本格的なプライベートDMPを入れようとすると、情報システムやマーケティング、広報、CRMといった部署から数人ずつ人を集めて、横断的なプロジェクトなどを立ち上げないと、うまく構築・運用はできないでしょう。
DMPの導入は、どのDSPを導入するかといった話しと比べると、はるかにハードルは高いです。基本的に組織横断で行っていくべきであり、経営判断も必要で、現場だけではなかなかできないでしょう。
そういった意味では、ハードルはそこそこ高いですね。だけど、あえてDMPの導入に取り組む成果はすごく大きいと思います。
データドリブンな、新しいマーケティングの知見や、人材育成という観点では、とてもいいチャンスです。DMPを導入するための横断組織をつくることで、様々な部署の人員を集めてやってみようという試みは、非常に有益と言えます。

菅原:DSPは広告を買うためのツールなので、宣伝部やマーケティングチームで導入は決定・実行はできるでしょう。
だから、いい意味でいうと、狭い関係部署の中で判断されるのではなくて、きちんと経営判断まであがってDMPを導入すると、横山さんがおっしゃったように、得るものは大きいでしょう。
なぜかというと、DMPの導入は広告の領域だけの話しではないからです。サイトの中を変えたり、コミュニケーションだけではなくて、導入したブランド企業の製品やサービスを見直す機会にもなります。逆に言うと、これを広告の中だけにとどめておくDMPにしてしまうと、もったいないですよね。