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【横山x菅原対談】「DMPは、広告だけでなく、マーケティングコミュニケーションの構造を根幹から変える」

リスクとチャンスは明確、情報を得るツールとしてDMP活用に取り組む

―では、最後にブランド企業、広告代理店、そしてメディア企業へ向けて、メッセージをお願いします。

横山氏:ブランド企業にとって、自社の顧客をきちんと知ることは、ブランド企業自身でしかできない作業です。このマーケティングの根幹である作業を、いかに自社で取り組むかが、他社と差がつく要因になってくるでしょう。

 今までは代理店にお金を出してメディアを買って、テレビCMを作ったり、新聞に広告を出していれば、一定の成果はでました。だけど、この世界は基本的に自社でやらなければいけない。きちんと自社で取り組んだ会社と、踏み込めずに他社に頼り切っている会社では、雲泥の差がつくでしょう。リスクとチャンスが明確だからこそ、はやく取り組んだ方がいいと思います。

 広告代理店はどこまで付いてこれるかが、境目でしょうか。先に話したように、データを分析し、文脈を発見するスキルをエージェンシーも持たないと、変わりゆく時代にキャッチアップできないでしょう。

 言い切り型のマーケターではなくて、データの大海原に飛び込み、管理画面で大量のデータと向き合うことが必要になってきます。そしてオペレーションに取り組む中で、文脈を発見するスキルは芽生えてきます。だからこそ、新しいスキル開発に挑んでいく必要があるでしょう。

 もう一つは、オリジナルなデータの切り取り方について、ユーザーのセグメンテーションなど、エージェンシーならではのサイコグラフィカルなペルソナづくりといった知見を持つように尽力すべきでしょう。ユーザー像についての分析を深めるといった優位性をいかに持つかが、重要でしょうね。

 メディア企業はクライアントへデータを提供・共有することに、もっと意欲的になるべきだと思います。データを出さないことは、自分のメディアのオーディエンスがどんな購買行動をする人たちなのか分からないということです。そうすることで、自社のメディアのオーディエンスがどんな購買行動をするのか、自らも学ぶことができます。

菅原:あと数年で、インターネット広告全体における、メディアの取引の約25%がRTB経由になると予測(参照:マイクロアドの調査)されています。つまり、DSPである程度の広告在庫は買えるようになる市場が来るのです。

 広告主は「誰がどこのメディアをみた」ということが瞬時にわかり、それを買うか買わないかをDSPで判断します。その判断をするにあたって、情報が必要になってきます。

 その情報を得るために、「このメディアを買うのか、この人を買うのか、どういうコミュニケーションをとるべきなのか」といったことを判断するための、意思決定ツールとして、DMPをぜひ積極的に活用していただきたいですね。

横山隆治氏、菅原健一氏の最新刊(共著)
『DMP入門~顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム~』

[目次]
1. DMPとは何か
2. DMPの代表的なプレイヤー
3. DMP活用の視点
4. 広告主のデータ活用ステップ
5. プライベートDMPに向けた企業の課題
6. DMP時代の組織と人材
7. DMPの活用事例と業界展望

横山氏は1、2、6章を、菅原氏は3、4章、そして5章はブレインパッドの草野隆史氏が執筆。DMPの定義から活用ステップまで、この本で基本的なところから体系的に理解するのに役立つ1冊です。また、海外のDMP動向や、DMPの活用事例対談も盛り込まれています。Amazonでの購入→ペーパーバッグはこちらKindle版はこちら

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17738

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