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Responsys Interactレポート

キャンペーン起点のマーケティングは終わる
顧客中心、ブランド体験創出がカギとなる時代へ

 2013年5月21日から23日にかけて最新のマーケティングに関するカンファレンス「Interact2013」がサンフランシスコで開催された。初日のキーノートは主催元であるレスポンシス社 プレジデントのScott Olrich氏による「マーケティングの新時代」と題した講演が行われ、「顧客を全てのマーケティングの中心として対話を進める必要性」について語られた。

マーケティングの新時代が到来

 Interact2013は、Eメール&クロスチャネルマーケティグのソフトウェア会社であるレスポンシス米国本社が年に1度開催するマーケター向けのカンファレンスだ。毎年1,000名以上のマーケティング関係者が3日間にわたり様々なプログラムに参加し、マーケティングの最新動向や先進的な事例を共有する。

 昨年は「顧客との関係性構築を目指すリレーションシップ・ファースト」をテーマに、獲得偏重型マーケティングからの脱却について語られたが、今年はそれを更に推し進める形で、豪華なキーノートスピーカー、具体的な事例に触れられるブレイクアウトセッションが数多く用意された。

 初日はレスポンシス社のプレジデントScott Olrich氏がトップバッターとして登壇。「マーケティングの新時代」と題したキーノートセッションを行った。

 Scott氏はCMO(Chief Marketing Officer)からプレジデントに昇格し、レスポンシス社のマーケティングに加え製品開発も統括している。レスポンシスはマーケティングのビジョンと製品開発の方向性を完全に一致させることを狙っており、CMOがR&Dも統括する、テクノロジー企業としては異例の体制となっている。

 冒頭は50年代から今までの代表的なマーケティング・キャンペーンの歴史を紹介するビデオではじまり、「What’s next?」という問いかけからスピーチがはじまった。そこでは、マーケティングの進化を3つの時代に分けて提示した。

Customer Era

 まだ高度なマーケティングが存在せず、人対人の関係性でビジネスが成立していた時代。街の商店など、消費者とビジネスの間には深い関係があったが、ビジネスのスケールは難しく、消費者も多くの選択肢を持っていなかった。

Campaign Era

 マスマーケティングの時代。リーチとフリークエンシーを重視し、大きな予算を全国規模で投入し、認知を獲得することで競合製品との差別化を図る。ある意味、マーケターが初めて必要とされた時代。ビジネスのスケールは実現したが、消費者との関係性は希薄になり、消費者は多様な選択肢を持つようになった。

Relationship Era

 消費者が企業にパーソナライズされた対応と、豊富な選択肢の両方を求めはじめた時代。Amazon, Netflix等の先進的なオンライン企業がその要求を満たし、新しいスタンダードを作りはじめている。企業は顧客を中心に置き、高度にパーソナライズされた対応を数百万人のスケールで実現する必要に迫られている。

 続いて、Scott氏はそれぞれの時代にふさわしいテクノロジーを紹介した。

 Customer Eraにふさわしいのは古くからあるCRMだという。ただ、顧客情報は管理できるが、どうしてもスケールが難しいのが難点だ。Campaign Eraにふさわしいのは、当然Campaign Management。スケーラビリティはあるが、あくまでも企業都合でのコミュニケーションであり、顧客との関係性構築は容易ではない。

 そして、Relationship EraではInteraction Managementが求められる。「全ての中心に顧客を置き、対話を進めるようなマーケティングを推進するためのテクノロジーが今必要とされている」とScott氏は主張。全ての中心に顧客を置く企業として、ウィリアムズ・ソノマとノードストロームを挙げ、それぞれの企業でマーケティング領域を統括する2人のキーマンを紹介した。

右:Pat Connolly, Director, Executive Vice President and Chief Marketing Officer, Williams-Sonoma
左:Jamie Nordstrom, President, Nordstrom Direct
右:Pat Connolly, Director, Executive Vice President and Chief Marketing Officer, Williams-Sonoma 左:Jamie Nordstrom, President, Nordstrom Direct

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鈴木望(スズキノゾム)

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2013/06/20 17:00 https://markezine.jp/article/detail/17921

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