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はじめての人にもわかる「アナリティクス」講座

手元にあるデータだけで考えていませんか?
アナリティクスを成功させる「企画」と「データ探索」


STEP1「企画」、プロジェクトの企画段階に潜むワナとは?

 さっそくですが、「始める」段階の最初の2ステップに関して議論を始めましょう。

 まずは、ステップ1の「企画」です。アナリティクスを始める際にプロジェクトの内容を企画する段階ですが、もうここにワナがあります。陥りがちなワナとは、つい手元にあるデータで何が語れるかというアプローチでアナリティクスの企画をしがちなことです。そのことの何がいけないのでしょうか?

手元にあるデータにとらわれない発想が大切

 ひとつは、データ分析の具体的な活用イメージに結びつきにくいことです。データ分析の活用をよく考えて企画を立てた優れた事例をご紹介します。あるアパレル企業のお客様です。プロジェクト開始当初、アナリティクスを最初に手がける企画を何にしようかと、お客様と私で何度も議論を重ねました。結果、シーズン始まりのアイテム投入から今日までの売数の変化パターンから、シーズン終了までの数週間でどのように価格設定すれば収益最大化できるか、価格の推奨値を出す企画を考えました。将来的には、これを応用し、短いサイクルでのアイテム投入や価格調整を実現することまでを視野に入れています。

 このお客様の優れている点は

  • データ分析のアウトプットとその活用イメージが明確
  • アナリティクスの活用が自社の改善にどうつながるかをよく理解されている

ということです。勝因は、手元にあるデータだけにとらわれず、自社の課題からアナリティクスの活用シーンを考える正しいアプローチであったことです。手元のデータから何が言えるかというアプローチでは、ここまで具体的なイメージは湧かなかったでしょう。

手元にないデータがもたらす可能性

 もうひとつの問題点は、データ・ストラテジーの視野を狭くしてしまうことです。ある会社が「顧客の離反を阻止する」という企画を立てたとします。その企画から必要なデータが浮かび上がってきます。顧客・販売・マーケティングデータ、コールセンター履歴など、離反の原因や兆候を示すデータが候補に挙がると思いますが、手元に必要なデータが全部そろっていることは稀です。

 例えば、コールセンターの履歴が必要なデータと認識されているのに、それが分析に利用可能でない場合を想定しましょう。「そのデータが分析で利用可能になれば、お客様からのクレームなど離反の原因特定と打ち手の具体化につながる」など、将来のデータ環境拡充のための具体的な方針につながります。手元にあるデータから考えるアプローチの問題点は、既存のデータ環境を是としてしまいデータ・ストラテジー策定のきっかけを奪う点です。

次のページ
STEP2「データ探索」 ~そのデータはどの程度使えるのかを見極める~

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この記事の著者

津田 高治(ツダ タカハル)

USの大学院から経済学修士を取得した後、2001年よりアナリティクスを始める。流通・保険・メディア・製造など各種業界でアナリティック・コンサルティングを実施した後、SAS Institute Japanのソリューション・コンサルティング  シニア・マネージャー(現職)として日夜アナリティクスのお客様適用に研鑽を積む。趣味は料理とショッピング。

■講演
Analytics 2013 - SAS® Forum...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/06/18 15:53 https://markezine.jp/article/detail/17926

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