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アドテク活用は広告主だけの話しではない。欧米で注目されるパブリッシャーツールとは何か?


セルサイドがバイサイドより遅れている事実は否めない

――日本ではアドテクノロジーツールの導入に積極的な広告主と比べて、メディア側の対応はにぶいように感じています。米国でも同じような現象はあるのでしょうか?

DISPLAY LUMAscapeより参照 米国のディスプレイ広告領域のカオスマップ

シャオ氏:変化が起こる時に、バイサイドから新しいことが生まれるのは常ですね。お金も人材もツールもバイサイドから始まって、そこから波及する流れは否めません。カオスマップをみるとわかると思いますが、バイサイドは様々なツールで混んでいる状態ですよね。DSP、RTB、DMPといった枠の中で、たくさんの企業が熾烈な戦いをしています。

 セルサイドがバイサイドより遅れているのは事実ですが、一番重要なのは、ツールだけではなくて、それを使いこなせる人材です。ただツールを導入して終わりではなく、それに合わせて組織とビジネスプロセスを変えていくべきでしょう。これはバイサイドもセルサイドも同じです。

――どのような企業がこのツールを導入する意義があるのですか?

デニースさん:会社の規模や年商だけではなく、サイトの複雑性やどれくらいのデータがあるかということに基づいてきます。会社の規模でいうと非常に小さな企業も弊社で扱っています。一例をあげると、ピッツバーグポストバジェットという、ペンシルバニア州の地方紙の新聞社も、オンラインの最適化は弊社のツールを使っています。一方でリクルートやガーディアンのような大手企業にも使ってもらっています。

 繰り返しになりますが、会社の規模や年商ではなく、どれくらいのデータを使っていて、どのくらいサイトが複雑なのか、それによって最大限に使っていただけるかが決まってくる。

セルサイドもアドテクノロジー活用を避けては通れない

――今後、アドテクノロジーツールの活用が身近になる日本のメディア企業やアドネットワーク事業者に向けて、アドバイスをお願いします。

シャオ氏:一つは、日本の媒体社でも、テックと直接付き合わないといけない時期にきているということです。避けて通れない道になっていることを認識すべきです。

 そして二つ目は人材です。ツールを評価できる人材と、ツールを使いこなせる人材の二者が重要になってきます。すべてのソリューションを理解した上で、そのツールが本当に必要なのかを判断できる人。その次に、もちろん前者と同じ人材かもしれないが、そのツールを導入すると、どのくらいの利益が見込めるのかを試算し、きちんと使いこなせる人材です。

 また、オペレーションも初めから外部に全て任せてしまうのではなく、自社で行うのか、外部に任せるのかを考えた上で決断すべきでしょう。実際に自社で扱うと、利益はより高くなるので、人材とオペレーションの判断をしっかりとすることが必要です。

――パブリッシャーツールが浸透すると、日本の市場はどう変わるのでしょうか?

デニース氏:最終的には、日本だけではなく、海外でも同じことが言えますが、オンラインメディアの“Accountability”、信頼性や責任がより高まることを期待しています。

 広告の支出をみると、未だにテレビ広告への支出が非常に高いですよね。だけど消費者は何をしているかというと、テレビを見る時間は減って、オンライン上で時間を過ごしているわけです。

 実際の消費者の行動と、広告に対するお金の使われ方が合致しておらず、非常にアンバランスな状態が起きています。私たちはオンライン広告の最適化をはかり、効果の可視化をサポートしていくことで、そのバランスを正していきたいと思っています。しかるべき予算が、きちんとオンライン広告へ投じられていく未来を実現していきたいですね。

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

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2013/07/24 10:43 https://markezine.jp/article/detail/18168

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