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MarkeZine Day 2013(PR)

「顧客の見える化」でビッグデータ時代を勝ち抜く!
先進企業に見るデータ活用術実践編

 「ビッグデータをマーケティングに活かすには、顧客の姿を肌感覚で知ることが重要。そのために役立つのが“見える化”だ」と、プラスアルファ・コンサルティングの鈴村賢治氏は強調する。10月4日のMarkeZine Day 2013において、「先進企業に見るビッグデータ時代を勝ち抜くデータ活用術(実践編)」と題した講演が行われた。

定量データx定性データを掛け合わせて、顧客の見える化を図る

 「見える化エンジン」 「カスタマーリングス」 などのマーケティング支援ツールをすでに1,000社以上に提供し、企業におけるデータの可視化をサポートしているプラスアルファ・コンサルティング。

株式会社プラスアルファ・コンサルティング
見える化イノベーション推進部 取締役 鈴村賢治氏

 同社 取締役の鈴村賢治氏は、「自社のお客様の姿が本当に見えているか。これを一つの問題提起とさせていただきたいと思います」と切り出す。現在、さまざまなデータ分析ツールが出ているが、データを扱う専門家向けの仕様が多く、マーケターにとっては自社の顧客を感覚的につかみにくいことが多い。分析過程がブラックボックス化し、科学的視点で意思決定をしたくても結局は経験と勘を頼りにした判断になりがちだという。「その点、データが可視化されると、顧客視点が養われます」と鈴村氏。それこそが、ビッグデータから得られる資産になる。

 まず、現在のビッグデータの分析手法には、定量データを分析するデータマイニングと、定性データを分析するテキストマイニングの2つがある。定量データからは結果を導き出すことができ、また定性データからは理由を推測することができる。

 「例えばコンビニエンスストアのPOSデータからは、ある店舗である商品が若年女性に売れている、といった事実情報が分かります。その理由を知るには、アンケートなどによって定性情報を収集したりします。この2つをうまく掛け合わせて活用することがポイントです」

テキストマイニングに必要な2つの視点

 鈴村氏より、まず定性データの活用から解説された。

主な3つの定性データ

1.アンケートの自由記述
2.相談窓口に寄せられる問い合わせ
3.ソーシャルメディア

 最近のトレンドとして、鈴村氏は3つ目のソーシャルメディア上の声に注目していると述べる。Twitterなどに代表されるソーシャルメディアには顧客のさまざまな気持ちや思いが大量に投稿されており、市場の反響を把握するなどの有用性は高いが、手作業ですべてを網羅することはできない。

 そこで頼りになるのが、テキストマイニング技術である。例えば「見える化エンジン」では、自由なキーワードで、TwitterやFacebook、ブログなどへの投稿内容を集め、それを可視化することができる。

 「テキストマイニングには“虫の目”と“鳥の目”が必要」と、鈴村氏は話す。「仮に1万件のテキストデータを読んだとしても、それはあくまで“虫の目”で確認したに過ぎません。大まかなトレンドは、“鳥の目”で俯瞰しなければつかめません。かといって、気になる傾向があったときに改めて生の意見を参照できないと、実際の理由や背景が分からず、マーケティングに活かすヒントとしては役に立ちません。そこで『見える化エンジン』では、操作画面上で“虫の目”と“鳥の目”を行き来できる機能にこだわっています」

「顧客の見える化」がマーケティングを変える!

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事例:新商品プロモーションのTwitter反響分析

 具体的には、言語解析によってポジティブな内容とネガティブな内容の件数をそれぞれリストアップしたり、それらを色で示したり、多いキーワードを大きく表示したりすることができる。

 「これにより、どのような意見が多いのか、その理由は何なのかが視覚的に捉えられる」と鈴村氏。また、ソーシャルメディア上の声はマス広告やテレビ番組などのパブリシティなどの影響も大きく受けるため、それらとの関連も容易に把握できる。

  実際にソーシャルメディアにおけるテキストマイニングをマーケティングに活用した事例として、鈴村氏はキリンビバレッジ「午後の紅茶」のプロモーション反響分析を挙げる。同商品は今年4月9日にリニューアルし、1か月間で18万件ものツイートがあった。だがその数の半分近い7万5,000件は、なぜか4月22日に集中していた。

見える化エンジンで分析

 実態を詳しく分析したところ、いくつかの種類があるパッケージイラストを集めるとパラパラ漫画になる、という事実を紹介する動画が「すごい」「びっくり」といった驚きの声とともに爆発的に拡散していることが分かった。

 ツイートの内容を分析すると、その話題は前述の「パッケージの秘密」のほかに、ユニークなキャンペーンや味、新CMへの反響など5つに集約された。分析画面上では、その言葉同士の結びつきも分かるので、今回の新商品プロモーションが世の中にどのように広がっていったのかを把握することができた

見える化エンジンで分析

事例:ブログのトレンド分析結果を、店頭プロモーション企画へ活用

 ほかにも、ソーシャルメディア分析から世の中のトレンドを把握して、企画のヒントの発見・提案力の強化につなげたいといった相談も広告代理店やPR・プロモーション企画会社から多く寄せられているという。ある企業では、流通業に店頭プロモーションを提案する際、どの季節にどのような“ママ友会”が行われているかを分析し、そのパーティープランに合わせた店頭づくりを企画している。

 「これまではマーケターや営業担当者が経験と勘で企画することが多かった領域でも、生活者の声を分析することで、科学的な裏付けをした企画立案が可能になります。さらにその企画の効果測定が可能な点も、導入企業に好評です」と鈴村氏。

 また、ソーシャルメディア分析、特にTwitter分析においてネックがあるとすれば、それは投稿したユーザーの属性がはっきりしないことだった。年齢や性別が正確に分からないと、その後のターゲティングなどに反映させることが難しいからだ。

 その点を、 「見える化エンジン」 では今年に追加したユーザープロファイル推定機能にて解決。過去のツイートから「僕」「彼女」などの自称から性別を、「大学」「孫」などの話題から年代を推測したり、居住地を推測したりすることができるようになった。これにより、商品に関するツイートが多い年代を競合商品と比較するなど、顧客属性を使ったさらに細かい分析が可能になった。

「顧客の見える化」がマーケティングを変える!

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データマイニング、現場で活用できているのか?

 さて、では定量データ分析の最前線はどのような状況なのだろうか。企業が主に有する定量データは、購買履歴であり、顧客情報と紐づけして、データマイニング処理することで、適切に顧客をセグメントして個別のアクションを実行したり、レコメンドを行ったりすることができるようになる。

 セグメントもレコメンドもデータマイニングの基本だが、「この基本ができていない企業が非常に多い」と鈴村氏は指摘する。例えばセグメントできていない理由として、そもそも顧客情報と購買履歴の紐づけが大変であることや、データ量が多すぎる、データの抽出に時間(工数)がかかる、さらには、自由にセグメントできる手段がないなどがあげられる。

 さらにレコメンドでは、ロジック自体がブラックボックスになりがちで、効果だけで議論されてしまい、システム任せでどんな商品が推奨されているか知らないケースもある。「実感がないマーケティングが横行している。本来、マーケティングは顧客を知ったうえで、顧客に合わせた施策を企画・実行するべきだ」と鈴村氏は指摘し、さらにその原因を「専門家でなければ使えないデータマイニング系の分析ツールがわかりづらくしている」と警告する。

カスタマーリングスは直感的な操作にこだわっている

 その点、現場で使えるデータマイニングを搭載したCRMツール 「カスタマーリングス」 では、顧客データと購買履歴を自動的に紐づけて管理し、ツリー構造で直感的に操作できるセグメンテーションを実現。どの商品とどの商品が一緒に買われる傾向があるのか?といった併売分析も、商品マップ機能で視覚的に理解でき、マーケティング感覚を養うのにも役立つ。さらにメール配信などのアクションまでワンストップで提供することで、セグメントに合わせた最適なコミュニケーションを行い、その結果を分析することで、セグメントの見直しや最適化を行っていくことができる。 

顧客を育成するPDCAを回し、ビジネスを促進させる

 データベース管理からセグメンテーション、そして施策の実行と結果の蓄積・分析までを一括でできると、それを重ねることでPDCAを回していくことができる。「それこそが施策の精度を向上させ、マーケティング効果を高め、さらにマーケターの顧客をつかむ肌感覚を養うことにつながります」と鈴村氏は強調する。

カスタマーリングスは直感的な操作にこだわっている

 特にカスタマーリングスは通販やEC企業、会員組織を運営する企業に多く導入されている。これらの企業の多くで、優良顧客の抽出や特別なアプローチをしたくても、その操作が煩雑なために着手できず、つい一斉配信メルマガばかりになりがちだという課題を抱えている。それを適切にセグメンテーションし、顧客の好みや購買額などに合わせたキャンペーンを案内したところ、あるアパレル通販企業では配信コンバージョン率が4.4倍にもなった。

 その他、サプリメント「皇潤」を扱う株式会社エバーライフ(事例記事はこちら)、大手店舗検索・予約サイト運営企業などで、高い成果を上げているという。

 「ここまで紹介したように、定量データと定性データをそれぞれ適切に“見える化”するツールを使いこなすことで、自社の持つデータやソーシャルデータから、まだまだ膨大な知見を得ることができます」と鈴村氏は強調する。ビッグデータを活かすことは、すなわち、データの可視化により顧客の姿を的確に捉え、ビジネスを促進することだと言えるだろう。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/11/01 10:00 https://markezine.jp/article/detail/18623