過去と現在を比較することが重要
過去の情報も管理ツールに入力していて、過去と現在の比較が可能であった
分析という作業の特性上、ある大前提を踏まえる必要があります。それは、分析とは「分析対象と何かとの比較」である、ということです。
私のゴルフの例では、最近のスコアと過去の平均スコアとの数値比較によって自分の弱点を発見しました。これはWebにおいては、「最近のコンバージョン率は3ヶ月前より改善されているか?」「入力フォームの離脱率は6ヶ月前より改善されているか?」といった観点からの時系列の比較となります。
数値が過去と比較して改善されている場合は、みなさんがとった施策は適切であり、逆に改善されていない、もしくは悪化している場合は、原因を特定した上で改善のためのアクションを講じる必要があります。
ここで「比較」についてもう少し書きましょう。アクセス解析においては、上述の「時系列比較」とともに、「プロセス別比較」をすることが非常に有効です。
1ページ目での離脱(直帰率)と入力フォームでの離脱はどちらがより改善優先度が高いか? また集客プロセスにおいては、リスティング広告のあるワード群とバナーなどの広告のどちらかより改善優先度が高いか? こういった観点でアクセス解析データを眺めてみると、無駄の少ないアクションにつながります。

元ゴルフ部の適切なアドバイスに従って練習をすることにした
さて上述の1、2の観点で、適切に問題箇所を把握できたとしても、その後の深堀分析や改善アクションが不適切では思うような効果は出せません。この部分について、あらゆるサイトに適用可能な知見や方法論が存在すればよいのですが、アクセス解析は世界的に見てもまだまだ発展途上であり、残念ながら私の知る限り、画一的な方法論は存在していないように思います。最後にアクセス解析関連の良書を紹介したいと思います。
両方ともなかなかのボリュームですが、アクセス解析の理解に非常に役立つと思います。
今回の連載では、アクセス解析活用の観点について説明しました。アクセス解析はともすれば特殊で非常に面倒な作業だと思われているようですが、私のゴルフの例のように、日常何気なく行っていることと観点自体はさほど変わらなかったりします。
アクセス解析は、その観点を誤ると結果を生まない膨大な作業となってしまいますが、適切な観点で実施すれば、問題点を把握し、無駄のない改善施策を講じることができます。是非適切に実施し、みなさんのWebマーケティングの改善につながればと思います。
次回は、アクセス解析の用途について説明したいと思います。お楽しみに。