2014年は“ユニバーサル アナリティクス”元年
Google アナリティクスの機能拡張が目覚しい勢いで起こっています。昨年1年間だけでも「70」もの新機能やサービスをリリースしたと言います(Google アナリティクスSUMMIT 2013より)。2014年は「ユニバーサルアナリティクス」へのバージョンアップが本格的に始まり、昨年までは“次世代”と呼ばれてきた新しいステージの上に立つときがいよいよ来たと言えるでしょう。
この連載では、ユニバーサルアナリティクスへの移行を踏まえ、Google アナリティクスを使ったデータ活用にどのような変化が訪れようとしているのかを解説していきます。
本格的に始まる“データのマーケティング活用”
マーケティング活動を「モノ(商品)やサービスを売るための仕組みづくりとそのための活動」とするならば、その活動の対象は間違いなく人(消費者)です。広告・プロモーション活動の領域で言えばターゲティングの対象はもちろん人であり、人に対してさまざまな属性情報を紐付けることでターゲットセグメントが可能になります。広告効果測定においても、認知、態度変容、そしてコンバージョンを測る際の基本的な単位は人になります。また、企業が保有する「顧客」に関するさまざまなデータは当然ながら“人”単位であることは間違いありません。
一方で、マーケティングで活用されるデータのひとつである“ウェブサイトのアクセスデータ”についてはどうでしょうか。アクセス解析ツールのレポートでは、よく「ユーザー」や「ユーザー数」という言葉が使われますが、実際にはユーザーがウェブサイトを閲覧時に使用しているブラウザのことであり、データの活用上「ユーザー」という言葉に置き換えて(または「ユーザー」とみなして)使っているにすぎません。
ウェブサイトのアクセスデータはブラウザベースのセッションが基本単位である。このことが“ユーザー行動データ”と呼ばれながら、アクセスデータが広告のターゲティングや外部にある顧客データなどの“人”単位のデータとの連携へ広がらなかった所以であると考えられます。この意味においては、広告における行動ターゲティングやリターゲティング、またアトリビューション分析もこの域を出ません。
注目の新機能「ユーザーIDコントロール」
今年、本格的なバージョンアップを迎える「ユニバーサルアナリティクス」で最も注目を集めている新機能に「ユーザーIDコントロール」(※)があります。この機能はまだ開発中のもので(本原稿執筆時点)詳細は不明ながらも、アナウンスされている情報によれば、サイトのログインIDをキーに、訪問ユーザーのブラウザーCookie IDを1つにまとめることができる機能ということです。
今や、1人で複数デバイス(例:オフィスPC、自宅PC、スマートフォン、タブレットなど)を持ち、場所や時間に関係なくインターネットを利用するユーザーが増える中で、“ブラウザ”単位であったユーザーデータが、限りなくリアルな“1人”として集計されるようになることで、データのマーケティング活用“が本格的に動き出そうとしています。
※「ユーザーIDコントロール」は、アプリの利用データについては対象外。