IT専門調査会社のIDC Japanは、国内ブロードバンドサービス市場の予測と分析を発表した。これによると、国内のブロードバンドサービス市場が堅調に成長する一方で、トリプルプレイの加入者数規模を見ると、そのブロードバンド市場全体に与える影響は依然として限定的であることが明らかになった。
国内のブロードバンドサービス市場は堅調に成長しており、2006年末時点の加入者数は2,575万、世帯普及率は49.8%に達し、前年比成長率は15.1%。また、2006年末時点のブロードバンド加入者数における年間純増数は338万加入であり、そのほとんどを330万加入に及ぶFTTH新規加入者が占めている。
2007年においても、ブロードバンド加入者数は堅調に伸びており、2007年末時点では、2,823万加入に達するとIDCではみている。今後、同市場は、2006年から2011年の年間平均成長率7.5%で堅調に成長を続けるとIDCでは予測している。2011年の同市場の予測内訳をみると、FTTH加入者数が2,480万加入に達する一方で、ADSL加入者数は828万加入に留まる。また、CATVインターネット加入者数は、392万加入を維持すると予測している。
FTTH加入状況をみると、NTT東日本およびNTT西日本が提供するフレッツ系FTTHがシェアを伸ばしており、人口が集中する東京や大阪周辺の県に加えて、地方の県でも増加が著しく、全国規模で拡大しているとみられる。
市場予測を発表した際、IDC Japan シニアマーケットアナリストの門脇博之氏は「国内のブロードバンド市場は、FTTH市場の急速な成長に支えられ、堅調に成長している。サービスプロバイダーはFTTHの価値を高めるためにアプリケーション開発に注力しており、中でも映像配信サービスは最重要視されている」とコメントしている。
プレスリリース:国内ブロードバンドサービス市場規模予測を発表