<問題と解決>バリエーション2:問題の強調のみで表現する
<問題の強調と解決>から、さらにバリエーションが広がっていく。次は<問題の強調>のみの表現だ。解決の部分を削除した状態である。
先の例で言うと、<Webマーケティングの成功事例をすぐ知りたい!>という表現になる。短く言う必要がある時は<問題の強調>だけで、関心を引くやりかたもある。広告コピーではおなじみの方法だ。
問題の強調だけパターン
Webマーケティングの成功事例をすぐ知りたい!
<問題と解決>バリエーション3:解決を強調する
<問題と解決>、<問題の強調と解決>、<問題の強調>と来たが、もう1つバリエーションが加わる。<解決の強調>だ。問題が解決された、あるいは未然に解決できた状況を表現するアプローチだ。
これにもちょっとしたコツがある。<◯◯◯(商品)のおかげで~>で考えてみる方法だ。おかげでこうなりましたという上手くいった状況を表現するのだ。再び例を使うと、<MarkeZine のおかげで、もうWebマーケのアイデアには困らない>となるが、<MarkeZine のおかげで、>をまるごと削除すると、<もうWebマーケのアイデアには困らない>と解決の強調だけが残る。
解決の強調パターン
もうWebマーケのアイデアには困らない
表現レベルでは、もっと多くのバリエーションが考えられるわけだが、<問題と解決>を基本パターンとした幹となる3つのバリエーションでの発想を知っておくと、キャッチフレーズやタイトルを考える時に役に立つはずである。
選ばれるには相応の工夫が必要
もちろん、はじめのほうで述べたようにWeb特有の読まれかたを考慮して、なるべくフレーズの最初にキーワードを入れるといった施しは必要になる。
前回の記事「“役に立つ”が伝わるコピーは注目される 本・雑誌に学ぶ実用系フレーズの書きかた」でも述べたが、私たちがWebで探すのは、たいてい問題の解決のための情報だ。
広告やコンテンツには、そういう読み手の心理や行動に応えた書きかたや見せかたが求められる。多くの情報の中から見つけてもらい、選ばれるには相応の工夫が必要なのは言うまでもない。
何をもたらしてくれるのかが一目瞭然の<問題と解決>のアプローチは、情報が必要な読み手の労力(情報を見つける手間)を軽減し、情報へスピーディに案内してくれるという、とても気が利くヤツなのである。
今回のまとめ
- <問題と解決>がセットになったキャッチフレーズは訴求力が強い
- その理由はキーワードがすぐに目につき、Webの読まれかたにフィットするから
- <問題と解決>はコピーの基本的な発想法で、表現のバリエーションを広げてくれる
●角川類語新辞典(大野晋・浜西正人著/角川書店)
語彙力を増やすにはどうしたらいいか?という質問をたまに受けます。コピーなど実用文では、語彙力はあるに越したことはない程度です。しかし、文章を書く上で使いかたや細かいニュアンスを表現するには知っておくと便利です。その意味で「類語辞典」は語彙力を補完するライティングのパートナー。擬音・擬態語辞典とともに持っていたいです。
Webの記事を読むのもいいけれど、実際に有田憲史さんに会って直接講義を受けませんか?
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