VOD事業に新旋風を巻き起こす日本テレビ
「明日、ママがいない」「戦力外捜査官」など、今シーズン話題のドラマを提供している日本テレビ放送網(以下、日本テレビ)。そんな同社は、放送中のバラエティ番組やドラマのインターネット無料配信キャンペーンやHuluの日本事業買収など、業界の注目を集めている。
テレビ局が今後、どのようなビジネスモデルでビデオ・オン・デマンド(VOD)事業に取り組み、展開していくべきかについて、日本テレビ 事業局コンテンツ事業部長 船越雅史氏とGCAサヴィアン マーケティングオフィサー 久保田朋彦氏のセッションが繰り広げられた。
久保田:今日は、日本テレビのVOD事業の過去・現在・未来について、お話を伺えればと思います。まず初めに、日本テレビの放送外収入はどのくらいでしょうか。また、すでに動画配信サイト「日テレオンデマンド」を運営されていますが、過去の歴史も踏まえて、今はどのようなかたちで取り組まれていますか。
船越:現状では、日本テレビの放送外収入は20~30%程度で、決して多くはありません。会社としての目標は、2020年までには、放送外収入の比率を半分にまで引き上げたいと考えています。それを実現するいくつかの柱として、旧来から取り組んでいる映画事業、イベント事業、通販事業などがあり、VOD事業もその一つの柱です。
日本テレビは2005年頃に、他社に先駆けていち早く「第2日本テレビ」というインターネット動画配信サービスをつくった歴史がありますが、見事に失敗しました。失敗した理由としては、インフラ環境が整っていなかったこと、またインターネット配信事業に対する理解不足などがありました。
そのような過去があったこともあり、その後、なかなかインターネット配信事業に取り組むには至りませんでした。しかし、そこから様々な壁を乗り越えて、一昨年、「日テレオンデマンド」を事業として立ち上げました。