SEMよりもSNS? ニーズが顕在化していない層にリーチするカギはSNSにあり
三浦 メディアECでブランディング強化はできていても、集客で苦戦しているショップも多いのではないでしょうか。ブランディングの強みは、CV率を上げられるところと既存顧客のファン化。逆にいえば、新規顧客の獲得には繋がりにくいから、別の手も打たなくてはなりません。
安宅 HATCHさんも利用されているネットコンシェルジェさんのショッピングSNS「People & Store」は、メディアECの集客におすすめです。カラーミーショップと併せて使ってもらえる特別プランの提供もスタートしました。SNS上で容易にブランディングやキュレーションができて、ECサイトのコンテンツをソーシャルに拡散しやすくなりました。
尼口 ありがとうございます! 今の時代って、わざわざ検索エンジンから「◯◯がほしい」と探してきてくれる人は少ないんです。通勤通学時なんかスマホを触って、何をするかといえばSNSやニュースを見たりですよね。そういった潜在層のインサイトにECがタッチするためには、既存のネットショップを暇つぶしに最適化することがポイントになります。
安宅 たしかに。これからは、タイムラインに流れてきた情報から気になるECサイトにたどりつくことが、検索からの流入に代わってメジャーになるんじゃないでしょうか。SNSからの導線を強化することは、今後ECサイトを作る方にとってはぜひ意識してもらいたい点ですね。
個人メディア化していくEC 市場 生き残る秘訣は「つながりの強化」
三浦 HATCHは少しずつブランドを確立しつつあるので、安定的なショップの運営ができてきましたが、商品によって仕入れ先が異なったりして、運営するうえで大変なことはもちろんまだまだ多いです。でも、こういった忙しさや手間も、新しい形のECを創造していく楽しい工程の1つとして捉えています。自分だけのブランドを育てるのって、ショップを作るよりも楽しい時間です。ショップへの愛着が続ける原動力になっています。
尼口 なるほど。僕はこれからHATCHさんのようなメディアEC型のショップがますます増えてくるのではないかと考えています。たとえば、在庫をシェアしたキュレーションメディア型の個人ECとか。そう考えると「優れた商品がそろっているEC」よりも「オーナーのメッセージやセンスがみえるEC」のほうが価値が高くなってくる。目の前にきている個人メディア化の時代にそなえて、今以上にブランディングを強化するべきと言いたいです。
安宅 そうですね。ECサイトを作るだけなら誰でもできるようになりましたし、今後ますますその敷居は下がっていくでしょう。しかし、ECサイトを作ってからが本当のスタート。お客様とのコミュニケーションを重ねながら売れるショップへと育てていかなくてはなりません。小手先の工夫ではなく「今、あなたに、なぜ、この商品を届けたいのか?」というメッセージがきちんと届くブランディングに最適なECプラットフォームを、我々も提供し続けたいです。