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イベントレポート

検索エンジンマーケティングからトータルマーケティングへ【ClickZ Live 2014 レポート】

 検索エンジンマーケティングイベント「SES」の後継イベントである「ClickZ Live」が2014年8月12日から8月14日の3日間にわたり、San FranciscoのHyattで開催された。本記事では、実際に現地へ行き参加してきたアタラ合同会社のコンサルタントである清水氏と時田氏が、同イベントの概要と注目のセッションを中心にレポートする。

拡大する検索エンジンマーケティングの領域

 これまで、検索領域に特化したイベントとして1999年より開催されてきたイベント「SES(Search Engine Strategies)」が、今年から「ClickZ Live」にリブランドされた。SESは、検索エンジン業界のカリスマ編集者Danny Sullivan氏(現SMX/Third Door Media Editor-in-Chief)が、1999年に創設した世界的なカンファレンスシリーズであり、現在はIncisive Mediaが運営している。

 ClickZ Liveにリブランドした背景の一つには、昨今、さまざまなテクノロジーの進化とともに、必要なマーケティング手法の幅が拡大していることがある。SESでも、ソーシャルメディアやモバイルなどをテーマとしたセッションが増え、内容が豊富となり、これまでSESが特化してきた分野と内容が一致しなくなってきたのだ。

 そこで、検索領域以外のマーケティング活動、たとえば、ソーシャルメディアやディスプレイ広告、モバイルやデジタルテレビ広告などのデジタルマーケティング全般などでの需要の高まりを受けて、2014年よりIncisive Mediaが運営していたSESとClickZのブランドを統合する形でClickZ Liveというイベントが発足するに至った。それでは早速、本イベントでトレンドとなっていたテーマを紹介しよう。

トレンドは引き続き「モバイル」

キーノートセッション“Driving Revenue with Key Mobile Insights”
SMOX(Smart Mobile Cross Marketing)を提唱するモバイルマーケティング協会(MMA)CEOのGreg Stuart氏

 各キーノートセッションから個々のセッションまで、「モバイル」の話題は必ずといっていいほど出ていた。意外にも目新しいキーワードではないため少し拍子抜けしたが、モバイルが軸となりつつも、モバイルと他のデバイス、地域戦略、動画などの掛け合わせが求められる今の時代だからこそ、より消費者へのコミュニケーションの接点として拡大しているモバイルを、どう捉えて活用するべきか、提唱する機会として組み込まれているのだろう。このタイミングで「モバイル」に注目が集まった理由として、イベントを通じて感じたことをまとめてみた。

世界には歯ブラシよりもモバイル端末のほうが普及している

地球の人口70億人の中で、歯ブラシを持っている人口42億人。それに対して、モバイルは51億人が持っている

 2014年の時点で、世界の人口の30%がモバイル端末を所持しており、インターネット広告の飛躍を後押ししたインターネット普及率40%のラインを近い未来に超えることが予想される。極端な例だが、Mondelez InternationalのBobin Bough氏によるオープニングキーノートの中でも「歯ブラシよりモバイル端末が普及しているかもしれない」という衝撃的な数字が紹介されていた。

検索結果とモバイルデバイスを掛け合わせた施策でCVRは格段に高くなる

 年々、モバイルの通信速度が速くなり、ユーザーがスマートフォンでWEBサイトを閲覧する時間も長くなった。それを受けて、企業が用意するページコンテンツの幅も広がり、コミュニケーションパターンが充実してきた。

 また、2014年7月に実施されたGoogleのPigeonアップデートにより、ローカルの情報(=検索結果)が、より重視されることになった。その結果、ローカルとモバイルデバイスを掛け合わせた施策だと、CVRは格段に高くなり、SEM従事者にとってローカルへの対応が一層重要になってきた。

 さらに、iBeaconを筆頭に、位置情報を利用したキャンペーンを低コストで実施できる基盤も整ってきてたことから、より適切なメッセージを届けることや、店頭やショーケースのエクスペリエンスを高めることに対しても、引き続きモバイルへの注目度の高まりは続くだろう。

テクノロジーの進化におけるROIの見える化

 Cookieをベースとしたトラッキングだけでは、デバイスをまたいだ計測ができなかったが、Googleアナリティクスのユニバーサルアナリティクスを筆頭に、ログイン情報を鍵にデバイスをまたいだ計測を、手軽にできる環境が整ってきた。いくつかのセッションの中で触れられていたが、ポストクッキーとしてメールアドレスへ関心があらためて高まっていた

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この記事の著者

清水 一樹(シミズ カズキ)

アタラ合同会社 執行役員シニアコンサルタント。WEBデザイナーを経て広告代理店に入社し、約8年間リスティング広告プレイヤー・マネージメント職に従事した後、2012年より現職。現在は運用型広告プレイヤーだけでなく、インハウス広告運用の支援コンサルティング、アトリビューション分析・コミュニケーション戦略を得意としている。また自社製品「glu」を軸とした、システムソリューションコンサルティングなどアタラの全事業のコンサルティングを行なっている。

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時田 浩司(トキダ コウジ)

大学在籍中にアタラ合同会社にインターンとして働き始め、2013年9月に初の新卒社員として正式に参画。 ケニアで生まれ、日本と東南アジア・アフリカを行き来して幼少期を過ごす。高校より日本に定住し、2013年に青山学院大学国際政治経済学部を卒業。アタラ合同会社では主に運用型広告のオペレーションとマーケティングに従事。

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ATARA合同会社

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2014/09/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/20802

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