SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZineニュース

Y Combinatorが投資ルールを変更、クラウドファンディングとの統合も示唆

 シリコンバレーに拠点を持つY Combinator(以下 YC)は、スタートアップへの投資のあり方を変えた会社として知られている。YCは少額の資金を多くのスタートアップに提供し、10%にも満たない株式を受け取るというスタイルをとっている。2005年の創業以来、手掛けたスタートアップは700社以上。その中には、先日Amazonに買収されたゲームプレイ動画配信プラットフォームのTwitchや、Dropbox、Airbnb、redditなども含まれる。

 同社は、1~3月と6~8月の年2回、「バッチ(batch)」と呼ばれる期間を設けてスタートアップのためのプログラムを実施し、その参加者は「卒業生」とも呼ばれる。一般公募から選抜されたスタートアップは3か月の間、YCがあるシリコンバレーへ引っ越し、自由に仕事をしながら、週に一度行なわれる夕食会で、投資家やジャーナリスト、経営者などと交流する。そうした日々の中でビジネスを見つめ直し、プレゼンテーションを洗練させる。最後に行なわれるDemo Dayでは、実際に投資家たちを前に自分たちのビジネスの可能性をプレゼンテーションする。

 しかし、同社社長であるサム・アルトマン氏は、投資家間の対立などを減らすため、追加投資のルールを変更すると公式ブログで明らかにした。それまではYCの投資パートナーは、スタートアップが資金を50万ドル集めた後、あるいはDemo Dayの3週間後のいずれかに投資ができた。しかし、バッチの間に行われる投資が問題を引き起こしているという。

 新しいルールでは、パートナーはDemo Day後のある期間だけ投資できるか、シリーズAの一部として投資可能になる。これは2014年の夏学期から適用され、Demo Day後に投資可能となる期間については試行後に明らかにするとしている。

 また、YCはこれまで、Sequoia Capitalといったベンチャーキャピタルから資金を得ていたが、かれらとはLP(Limited Partnership、有限責任組合。出資金額を責任限度として利益配当を受ける)としての関係はもはやなく、情報提供などもしていないという。YCは、これまで同様スタートアップのプレゼンテーションの練習のためにDemo Dayの約10日前に投資家たちと引き合わせるが、信用できる投資家のリストを、バッチごとにローテーションさせる。

 また、公平な競争の場を設けるため、投資家の新たなメール配信リストを作成したと発表。そのリストは、YCが手掛けるすべてのスタートアップが、Demo Day外(その前後)で資金を集めるために使われる。そのリストに載るには、投資しているYCのスタートアップの数や規模、卒業生たちの評価、大きな理由もないのに契約を破棄するなどの悪い行動履歴がないことなどが条件となっている。

 新たな投資家との出会いを設けるため、将来的にはスタートアップへ関心をもっている投資家へのより大きな配信チャネルも用意したいとしており、いくつかのクラウドファンディングとの統合も示唆している。

【関連記事】
ディズニー初のスタートアップ支援プログラムに選ばれた11社とは?
ヤフー、米国現地法人「YJ America」設立、米国スタートアップを支援
フジ・スタートアップ・ベンチャーズ、若手起業家が出演する深夜番組「オレが世界を変えてやる!」
サイバーエージェント、シリコンバレースタートアップのスマホ向け広告会社へ出資
アプリ向けBIプラットフォームのApp Annie、セコイア・キャピタルから1500万ドルの資金調達

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZineニュース連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2014/09/05 14:47 https://markezine.jp/article/detail/20853

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ


イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング