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キュレーションメディア&ネイティブアド最新動向/Antennaが実現するスマホのブランディング広告

2014/11/07 11:00

 ここ半年ほどで、ごく普通のスマートフォンユーザーに一気に広がったキュレーションメディア。中でも、雑誌のようなビジュアルで、若年層ユーザーを中心に高い支持を得て急成長しているのが「Antenna」だ。ナショナルクライアントを中心に、マスプロモーションに加えてスマートフォン上のブランディング広告の出稿先としても実績が積み上がっている。動画広告を含め、ネイティブアドの事例が豊富なAntennaの成功の要因は何か。キュレーション業界の動向も踏まえ、その詳細が明かされた。

目を見張るキュレーションメディアの伸長

 変化のスピードが激しいネットの世界においても、昨年末ごろから今年にかけてのキュレーションメディアの広がりには、とりわけ目を見張るものがある。各社、特徴の絞り込みやテレビCMなどの大々的な広告施策を経て、現状ではすでにプレーヤーが選別・確定されているというのがおよその見方だろう。主立ったものは「Antenna」「Gunosy」「SmartNews」「NewsPicks」の4つだ。

出典:各社媒体資料・報道資料より(2014年9月時点)

 なかでも約300のメディアと正式に契約を交わし、画像をベースにしたUIで情報量・質ともにこだわった配信で人気を集めているAntennaは、10月時点で約400万ユーザーにまで成長。運営元の株式会社グライダーアソシエイツ 取締役 荒川徹氏は、キュレーションメディアの爆発的ともいえる拡大について「スマートフォン(以下、スマホ)市場の伸長が大きく影響している」と語る。

株式会社グライダーアソシエイツ 取締役 荒川徹氏

 昨年後半、国内のスマホ所有率は50%を超え、この8月の調査では57.3%となった。年齢別では、15~19歳で85%ほど、以降の年代も緩やかに下がるものの50代でも約45%と高い。「特に注目すべきは、現在5~6割の所有率となっている30代から50代のシフトが進んでいることです。若年層のメディア接触状況がスマホの登場によって大きく変わったように、これからは少し上の世代でそれが起こります」と分析する。

出典:ビデオリサーチ スマートデバイス最新動向調査(2014年10月発表)

約6割が「検索エンジンでは自分に合った情報が得られにくい」「インターネットで出会いがない」

 デバイスの進化も著しい。今のトレンドは画面が大きくなる傾向があり、通信環境の改善もあって、動画視聴が進んでいる。一方で、楽しめるコンテンツの選択肢が増えたからこそ「小さなスマートフォンの限られた画面上でほしい情報にすぐにたどり着きたい」というニーズも高まっている。そこへマッチしたのが、まさにキュレーションメディアだ。「能動的に検索を行うものの『自分に合った情報が見つけにくい』と、検索エンジンに不満を持つ人が実に57.7%もいるのです」と指摘する。

出典:矢野経済研究所 キュレーション市場の実態と展望2014年

 「キュレーションメディアは、それぞれの媒体を超えて記事単位で情報を集めて提供します。それが、スマホの画面サイズと操作性では複数のサイトを訪れるのに限界がある、という状況に受け入れられました。このように、キュレーションメディアの拡大にはスマホの浸透が密接に影響しています」(荒川氏)

 加えて、ユーザーに合わせて情報の配信を最適化する点も、利用が定着した要因となっている。情報の集約・最適化という意味合いで使われる“キュレーション”を冠したこのメディアは、約4年前にアメリカで誕生。現在は「Flipboard」や「Pinterest」がグローバルで浸透し、代表格となっているほか、国内でもアートや旅行といった特定の切り口で情報を扱っているキュレーションメディアも広がりつつある。

 「日本では冒頭に挙げた4つを中心に、書評をまとめている『HONZ』、さまざまなECサイトから洒落た商品を集めた『FANCY』なども人気です」

スマホ広告で消費者の共感を呼び、企業のブランディングを実現する、Antennaのネイティブアド

 荒川氏によると、国内の主要なサービスは、ユーザーの利用の仕方やそれに伴う広告主の出稿目的にいくつかの傾向があるという。例えば、ユーザーの滞在時間。どちらかというと日ごとのニュースを扱うGunosyやSmartNews、また経済ニュースに特化しているNewsPicksの平均滞在時間は1~3分ほどと推測されるのに対し、趣味性の高い情報を扱うAntennaは5~10分程度と長く滞在することも多い。

 「Antennaは速報性にこだわらずテーマ性のある記事をキュレーションしているため、OFFのモードで閲覧されていると各調査会社の発表でも言われています。弊社のデータ分析でも、実際に休日でもアクセスが落ちないのが特徴です。それぞれのサービスの特性を受けて、Gunosy、SmartNews、NewsPicksは新聞、Antennaは雑誌といったように、ユーザーが使い分けている状況があります」(荒川氏)

 広告に関しては、GunosyとSmartNewsがアドネットワークとネイティブアドを取り入れ始めている中で、現状ではどちらかというとゲームのアプリダウンロードや資料請求申込みなど、集客や購買など“刈取型”の出稿がされているのに対し、Antennaは広告商品を独自UIのネイティブアドに特化し、ナショナルクライアントを中心にブランディングを目的に出稿されるケースがほとんどだという。

 ネイティブアドにはいくつかの定義があるが、「各メディアのUIに忠実に、自然に消費者へ訴求できる広告」と提示する。「ユーザーが普段使っているメディアやサービスの中で、記事コンテンツと同じ体裁で自然になじむペイドメディアだと考えています」

ユーザーに情報として楽しまれる広告のカタチとは?

 日本でも一定のユーザー数を有する画像SNS「Pinterest」では、すでにネイティブアドが積極的に取り入れられている。PinterestのUIは、あるテーマで検索するとそれに沿った投稿画像が投稿者の情報とともに並べられるが、その中にテーマに合致する広告も含まれており、それをタップすると掲載商品の購入サイトへ飛べるようになっている。

 同じようにAntennaでも、スマホのUIなら縦一列に、PCサイトなら画面上にコマ割のような形でユーザーごとに最適化された記事コンテンツの見出し画像が並ぶ中、同じトーンで広告主の見出し画像が配信される。それをタップすると、記事コンテンツと同じ体裁のコンテンツが表示され、さらなる情報を知りたい場合は広告主のサイトへ飛べる仕組みだ。最近では、見出し枠が画面内に収まっている間だけ再生され、その先へと誘導する動画広告も増えている。「我々はこれを『コンテンツ型ネイティブアド』と呼んでいます」

 「タップしたらいきなりアプリのダウンロードサイトへ誘導されるような、通常の記事コンテンツと異なる動きは、ユーザーが非常に嫌悪感を抱きます。そうではなく、できるだけ自然にコンテンツとして認められるつくりとし、それ自体をまずはコンテンツとして楽しんでもらう。提携メディア様のコンテンツも広告主様のコンテンツも、コンテンツとして位置付ける。その上で、さらに興味のある人は広告主様のサイトへと進めるようにしています。Antennaのユーザーに対しては効率ではなく共感を追求し、そのこだわりの姿勢は広告代理店様、広告主様の理解も得られ始めています」(荒川氏)

「量的広告」と「質的広告」という考え方

 こうしたネイティブアドの広がりに伴って、今ネット広告が「量的広告」と「質的広告」の2つに整理して考えられ始めている、と指摘する。

 これまでネット広告は、圧倒的に刈取り型に効果を発揮してきた。「AIDMAモデルを考えると、ある程度の量を出稿して最後のアクションを獲得するのが、バナー広告に代表されるこれまでのネット広告でした。ですがスマホが一般化し、サービスごとに最適なUIが採用されるようになって、それに即した形での出稿によってユーザーに気付きや興味・理解を促進できるネット広告が実現しました。それが質的広告であり、Antennaが推進するコンテンツ型ネイティブアドです」と説明する。

 ブランドイメージを損ねずに、的確かつ自然にスマホユーザーへ訴求できるコンテンツ型ネイティブアド。これがナショナルクライアントを中心に待望されていたことは、メーカーや流通小売、外食、交通、官公庁からラグジュアリーブランドまで、誰もが名を知る300以上の企業・団体がすでにAntennaへ出稿していることから明らかだ。広告主の事業規模からも、ほとんどのケースでマス広告/プロモーションと併用されている。

 企業を大切にするブランドの世界観を保ち、自然とファンを増やすようなプロモーション施策は、従来のスマホ広告では難しかった。それをAntennaは、300を超える公式メディアパートナーからの良質な記事コンテンツと、ユーザーの心地よさにこだわったUIで実現し、日々改良を続けている。

マーケティングプラットフォームとしてのAntennaの可能性

 広告主がAntennaをマーケティングに活用するにあたって、①オウンドメディア送客を目的としたコンテンツマーケティング、②スマホ媒体特性を生かしたイベント・新商品告知、③主に若年層へのブランド訴求テレビCM/動画連動、の3つが主な目的だという。

 例えば①では、化粧品メーカーがオウンドメディアへの送客を目的に、同媒体に使用している画像やテキストを広告コンテンツとして展開。また不動産メーカーでは、検討期間が非常に長い商材のブランディングに、企業色を抑えて自社コンテンツを自然に出稿し、ブランドイメージを確立している。

 ②では消費財メーカーにて、商品が登場する朝のシーン、夜のシーンをユーザーの閲覧時間帯に合わせて配信。また最近のスマートフォンならではの例としては、テレビ局の番組宣伝・映画予告にも活用されている。通常画面に加えて、放送開始日・上映開始日にはAntennaのトップページから選択できる「今日の情報」のコーナーにも掲載されるため、視認率が高まる。

 また、③には自社の動画コンテンツの有効活用策として、テレビCMやWeb動画、電車内トレインチャンネル用動画の転用が始まっている。企業広告やCSRの訴求としても有効で、最近では食品メーカーのCSR活動を紹介する1分半の動画がよく閲覧され、ユーザーの反響も非常に大きかったという。

 現在、テレビ局、雑誌社、ラジオ局、新聞社や放送局とのアライアンス施策なども始動。「コンテンツ型ネイティブアドの世界観を、提携メディア様や広告主様とともに、徹底的に追求していきたい。そしてAntennaのユーザーに対して、雑誌のような気づき、出会い、そしてワクワク感を提供し続けていきます」と荒川氏。今後のさらなる飛躍が期待される。

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