SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

Twitterプロモーションの最新動向を追う(AD)

キャラクターアカウントの担当者たちが語る!Twitter運用・活用のコツ【後編】

 Twitterでキャラクターアカウントを運営する4社による座談会。前編では各アカウントを運用する目的や狙い、ツイート内容について語りました。後編は各アカウントが抱える課題やその対策、そしてプロモーション施策がテーマ。一体どのような施策を行っているのでしょうか?

座談会に参加しているのは、左より株式会社コーセー 宣伝部 宣伝企画・PR課 小林祐樹氏
フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社(以下FHJ)シニアアカウント エグゼクティブ 井土裕介氏
ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパン合同会社(以下JWT)アカウント・ディレクター 杉本洋平氏
株式会社サンリオ 執行役員 キャラクタークリエイション室長 奥村心雪氏
同社 メディア部 ジェネラルマネージャー 田口歩氏
左より株式会社コーセー 宣伝部 宣伝企画・PR課 小林祐樹氏、フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社(以下FHJ) シニア アカウント エグゼクティブ 井土裕介氏、ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパン合同会社(以下JWT)アカウント・ディレクター 杉本洋平氏、株式会社サンリオ 執行役員 キャラクタークリエイション室長 奥村心雪氏、同社 メディア部 ジェネラルマネージャー 田口歩氏

制限の中でどうするか? 運用担当の苦労と対策

編集部:前半ではアカウント運用の目的などを伺いました。では、運用にあたって難しさを感じる場面や、工夫していることはありますか?

JWT杉本:サンリオさんにとってキャラクターの世界観を守ることが重要なように、ビッグリンカーンも完全に自由にキャラクター設定ができるわけではありません。リンカーンが実在する人物なので、イメージがある程度固まっているんです。それに、自治体を代表するキャラクターなので、その点の考慮も大切です。

 例えば、ゆるキャラの運動会に出場するとして、ビッグリンカーンが走るのはいいけど転ぶのはNGという決まりがあります。でもああいうイベントって、キャラクターのちょっとした失敗が可愛かったり面白かったりして、注目を集めることもあるんですよね。

コーセー小林:ツイートはすべて先方の許可が必要なんですか?

JWT杉本:イベント中のリアルタイムツイートは、比較的自由にやれています。でも、基本的なコンテンツカレンダーは、本国の承認をとっています。だから、Twitterのツイート内容にしても他のプロモーションにしても、本国にいろいろな案を出すんですが、日本と米国の感覚の違いもあり、ボツになることも多いんです。

 そのため運用が難しい側面はありますが、とにかくできるだけ多様な提案をしています。そして、本国と我々お互いの価値観や意図を擦り合せることが大切だと思っています。

FHJ井土:大統領という設定と州からの依頼で、リツイートに制限があることもハードルですね。でも、日本との外交も大きなテーマなので、他のキャラクターとも積極的に関わりたいと思っています。

サンリオ田口:井土さんが仰るとおり、Twitterの良さの一つアカウント間でのやりとりがあると思います。ですが、弊社では異なるキャラクター同士が同じタイムラインに出ることに関して保守的な部分があります。というのも、各キャラクターの世界観をとても大切にしているので、それらが不用意に混ざり合わないよう慎重に対処しなければなりません。それと、弊社の場合、ライセンス事業との兼ね合いなどビジネスサイドでの中立性にも配慮が必要になりますね。

避けて通れない属人化問題、その対策とは?

サンリオ奥村:これは運用上の悩みですが、キャラクターアカウントのツイートでは必ず絵か写真がつきます。かつ、世界観にこだわりがあるので、外注が難しいんです。すると属人化してしまい、担当が倒れるとキャラクターも倒れる、というリスクもあります。そこで、ある程度作り置きして運用するのですが、それだけだと面白くなくなるので、その時々の旬のものも取り入れて、変化をつけて、バランスよくやっていくというのがテーマになっています。

 ちなみに、スケジュールの立て方はアカウントの担当者ごとに違います。私は月次単位で用意しています。絵は既にあるものを使う場合もありますが、季節のイベントや急遽頼まれたものなどは描き起こすので、スケジュールがタイトになることもあります。

コーセー小林:属人化の問題は確かにありますね。SETSUKOは運用担当者をツイート内容で分けてます。キャンペーンやアド関係は代理店さんにお願いして、通常のツイートは社員が一人で行なっています。というと驚かれるんですけど、女性社員が多いので彼女たちの面白そうな行動を見つけてツイートできます。ですから、ネタには困らないですね。

 ただ、サンリオさんと同じく、普段の担当が一人だけというのはリスクです。なので、担当がいつ異動になっても継続できるようにSETSUKOの設定は履歴書のように細かく決めています。趣味とか年齢とか婚活中であるとか……。これはアドを担当している代理店にも共有しています。

Twitterでのプロモーション、今後は何を?

編集部:アカウントでは日々の会話以外にプロモーションもされているかと思います。みなさんどのように行っているのですか?

コーセー小林:SETSUKOの場合は、基本はオーガニックです。ただ、キャンペーンものやコンテンツものなど、何か面白い企画ができたときに、プロモツイートを使っています。プロモツイートを使うと、オーガニックでのツイートに比べてリツイート数が100倍になることもあるんです。効果のほどがわかりやすいので、これからも拡散の起爆剤として活用していきたいと思っています。Twitter自体もコミュニケーションを中心にした親しみマーケティングと、取組みを伝えるプロモーションの両面で上手に使っていきたいですね。

 プロモツイートとは
 Twitterのプロモーション商品の一つ。ターゲットのタイムラインに広告主のツイートをネイティブアドとして表示するサービス。

JWT杉本:ビッグリンカーンではプロモアカウントを利用しています。ビッグリンカーンは駆け出しのキャラで、今は認知度を上げる段階です。ですから、ファンを増やすべく開設から3か月くらいはプロモアカウントを利用する戦略です。

FHJ井土:そもそもTwitterは、ゆるキャラファンと相性がいいですし、他のソーシャルサービスと比較してもフォロワー獲得単価が3分の1程度です。ここも嬉しいところですね。ファンが増えたら、彼のBig Heartとイリノイの魅力を伝える戦略に移行する予定です。

 プロモアカウントとは
 Twitterのプロモーション商品の一つ。Twitterの「おすすめユーザー」欄、検索結果、およびタイムラインに、広告主のアカウントをおすすめとして表示する。

サンリオ田口:Twitterのプロモ商品については、かなり魅力を感じていて、全社的に重要なイベントで使っています。例えば、キャラクター大賞ではプロモアカウントを使用しました。このイベントは、弊社の100キャラクターがエントリーして、ユーザーに投票してもらうもの。ユーザーが知らないキャラクターもいると思い、イベント専用のアカウントで幅広く情報配信することにしました。内容は、新たに立てたナビゲーターキャラが各キャラを紹介していくというものでしたが、アカウントが認知されていないので集客が大変で……。

 そこで、投票直前から結果発表前日までの約3か月間、断続的に5回プロモアカウントを使ったキャンペーンを実施した結果、フォロワーを18,132人も獲得できました。また、ハローキティ40周年を記念したイベント「SHIBUYA de Hello Kitty」では、プロモツイートを活用したキャンペーンを実施しました。平均エンゲージメント率は14.95%1エンゲージメントあたりのコストは7.0円と、地域限定のイベントにも関わらず、幅広く拡散できました。

 来年は、マイメロディ、リトルツインスターズの40周年プロモーションに加え、様々なキャラクターでも、プロモ商品をもっと上手に使っていきたいですね。握手会やイベント、話題になりそうなコラボなど、社内では常に沢山の情報が飛び交っています。その情報を管理・集約して、より多くのキャラクターを成長させていきたいと考えています。

編集部:オーガニックとプロモ商品を使い分けながら、的確なプロモーションをしつつ、日々のコミュニケーションを続ける。みなさんの狙いや手法は違っても、そこは共通しているのですね。今日はありがとうございました。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/07/09 18:48 https://markezine.jp/article/detail/21109