ディープリンクとは
ディープリンクとは、以前はWebサイトのトップページ以外をリンクのことを呼んでおりました(参考記事,e-Word)。しかし、スマホの普及、アプリ利用の増加に伴い近年では意味が再定義され、「モバイルアプリ内の特定ページに直接遷移するためのリンク」もディープリンクと呼ばれています。
「モバイルアプリ内の特定ページに直接遷移するためのリンク」を整備することで、アプリのトップページではなく直接詳細ページに遷移することができるようになるため、スムーズにアプリを体験・利用することが可能になります。
昨今のトレンドとして、複数機能を持ったアプリを分解し、1アプリ1機能に分割する「アンバンドリング」がトレンドになります。
例として、FacebookはFacebook本体のアプリからMessenger機能を切り出し別アプリとしてリリースしました。Yahoo!はヤフオク!・Yahoo!ニュース・Yahoo!乗換案内など、ポータル内にあったコンテンツを各アプリとしてそれぞれリリースしています。
各アプリ間をスムーズに行き来するために、トップページからトップページに遷移させるのではなく、各詳細ページに遷移させるために、ディープリンクが必要になります。
スマホ時代におけるディープリンクの役割
スマホ内では検索以前のPC時代のようにポータルサイトのトップページを起点としてサービス利用するよりも、個々のアプリを起動し、それぞれのアプリを利用するケースが一般的です。個々のアプリはポータル的な多くの機能は持っておらず、1アプリ1機能でシンプルな設計のアプリが主流になります。つまりそれぞれのアプリ間を直接繋ぐ導線が存在していませんでした。
スマホ上で、個々のアプリをスムーズにコンテンツ詳細ページに遷移させるという、極当たり前にあるべき設計を実現させるために必要な機能がディープリンクです。各機能はアンバンドリングし細分化が進む一方で、ユーザーのデータを如何にバンドリングしてユーザーベースを抱え、プラットフォームを構築できるかがスマホ時代の戦い方の肝になります。
大手プラットフォーマーの対応状況
ディープリンクに対して、Twitter、Google、Facebookなどの大手プラットフォーマーはどのような対応しているのでしょうか。まず、各プラットフォーマーの対応状況を紹介していきましょう。
Twitter:App Card
TwitterはApp Cardを2013年4月にリリースしました。スマホ端末内のアプリ有り無しを判別し、アプリを持っていないユーザーにはダウンロード訴求を行い、アプリを持っているユーザーにはアプリ詳細ページに直接遷移させることが可能になります。Twitterは、GoogleやFacebookなど大手プラットフォームの中で、いち早くディープリンク対応機能をリリースしています。
Google:App Indexing
2013年10月末、GoogleはAndroid向けにアプリもWebサイトと同じようにインデックスへの登録を可能にするApp Indexingをリリースしました。
App Indexingは、アプリ内コンテンツとWebページのコンテンツの紐づけを行うことにより、Android端末にてスマホ検索利用者がweb検索結果のリンクをタップした時に、直接コンテンツをアプリから開けるようにする機能です。その結果、ユーザー側からするとスマホブラウザ上から直接アプリ詳細ページを開ける導線ができたことになります。
日本においては2014年6月にリリースし、クックパッド、ヤフオク!、Hot Pepper等が日本リリース時に合わせて対応しています。対応アプリはまだまだ数は少なく、これから順次増えていくことが予想されます。
Facebook:App Links
2014年4月、Facebookのデベロッパーカンファレンス「F8」において、モバイルアプリ間の連係を可能にするマルチプラットフォームのオープンサービス「App Links」を発表しました。リリース段階でMailbox、Pinterest、Hulu、Tumblrなどがパートナーに名を連ねております。日本のデベロッパーにおける実装例としてはSumallyや755がApp Links対応をしています。
尚、2014年11月時点で、「アプリで開くボタン」が表示されるケースやApp Linksボタンがヘッダーに表示されるケースなどFacebook社がテスト配信していることが予想されます。