アイモバイルを使おうと思ったきっかけは?
中島 収益を得るためにアドネットワークを利用しようと思ったとき、Cocos2d-xのSDKを用意している会社が少なかったので、『ゾンビ彼女』ではアイモバイルのSDKを独自に実装しました。アイモバイルの評判は聞いていたので、どうしても入れたいと思っていました。
大宅 その後Cocos2d-x用のモジュールを用意したのですが、そもそもアイモバイルがCocos2d-x用のモジュールを作ることになったきっかけは『ゾンビ彼女』なんですよね(笑)。
中島 プログラマーに話を聞くと、アイコンの表示位置や個数を引数だけで指定するのは他社ではできないので、アイモバイルのCocos2d-xのSDKは非常に使いやすいと言っていました。何か不具合があってもすぐに対応してもらえる。アイモバイルは、これから初めて広告モデルのアプリを作ろうという方でも、容易に導入できると思っています。
Cocos2d-xで作られているアプリは収益性が高い!?
鈴木 最近のアプリの傾向を見ていると、Cocos2d-xで作られたアプリは広告効果も高いと感じています。Cocos2d-xで作られることが多い育成系ゲームのユーザーは、手が空いた時間に広告を見てクリックしてダウンロードすることが多い。広告のレイアウト位置も重要で、今は下にバナーを出してその上にアイコン、さらにインタースティシャルというのが鉄板ですが、育成ゲームはそうした配置をやりやすいという特徴があります。
八反田 そうなんですね。ちなみに媒体のインプレッションのランキングでは、最近大手デベロッパーが上位を取っていますが、広告在庫として個人デベロッパーは増えているのでしょうか。
鈴木 個人でやっている方は非常に多くて、大手のSAPに勤めていた人が独立して自分の好きな理想のアプリを作り、それがヒットするということもあります。
甲斐 これは個人ではないのですが、最近では『Q』というゲームが3週間ぐらい総合ランキングのトップ10をキープしていました。社内でも何人かやっていて、週明け会社にきたときに「どこまでいった?」というのが話題になってましたね。
大宅 本当に良いアプリは流行るんですよね。
八反田 個人デベロッパーでもネタひとつでまだまだいける余地はあるということですね。それをCocos2d-xで楽してやろうぜという(笑)。そういった使い方もありですよね。
甲斐 あと、マネタイズの部分で見逃せないのが、広告市場の動向を活かしたアプリ開発です。例えば、大きな予算を持っている広告案件があるとき、その案件と親和性の高いアプリの収益が高まる傾向があります。アイモバイルでは、どんなアプリの親和性が高いかを把握しているので、随時デベロッパー向けに提案し、効果的な広告の掲載を促進することで収益の最大化に貢献できればと考えています。
中島 なるほど。そういった観点もあるんですね。
大宅 「ゾンビ彼女」もそのようなアプリのひとつになっていて、元々のポテンシャルが良かったことはもちろんですが、案件との相性が良かったというのも収益性が高まった要因のひとつだと思います。
もっとCocos2d-xを盛り上げていきたい
甲斐 今日はCocos2d-xに異なる立場で関わる方々にお集まりいただき、今後がますます楽しみになりました。
八反田 ユーザ会の代表としては、ユーザー層広げて勉強会をしたり、書籍を書く取り組みを増やしていきたいですね。組織としてもう少し運営を強化して、Cocos2d-xの日本での発展をさらに盛り上げていきたいです。先日、ユーザ会のメンバーで執筆した書籍『開発のプロが教える Cocos2d-x逆引きガイドブック』も発売になったので、こちらもよろしくお願いします。
鶴田 私は小さいときからゲームが作りたいと思っていたのですが、最初はどうやって作ればいいのかわからなかった。でも実際作ってみると簡単なんだというのがCocos2d-xは体感しやすいと思います。以前、高校生と一緒にゲームを作る企画に参加したとき、ゲームができあがったらみんなすごく楽しそうにしていた。今後もゲーム作りの楽しさをCocos2d-xを通して伝えられたらと思います。
中島 からぽんゲームズは『ゾンビ彼女』シリーズをメインで作ってきましたが、これからは自分たちがトレンドを作れるような、新しいタイプのゲームタイトルを作っていきたいと考えています。また、企業だけでなく、個人デベロッパーも「このタイトルはCocos2d-xで作った」という情報をオープンにしてくれると、デベロッパー間の輪が広がってCocos2d-xがさらに盛り上がるんじゃないかなと思っています。
甲斐 アイモバイルは、引き続き広告主・メディア双方の広告効果の最大化を図っていきます。デベロッパーがトレンドを作り、それを私たちが支えるだけでなく、私たち自身もトレンドを提案したいですね。
大宅 アプリデベロッパーがどんどんアプリを作っていくためには収益が一番大切。CPMを1円でも上げられるように広告主とうまく協力していきながら、メディアに収益を戻していく。これが今後のミッションだと思っています。
鈴木 マネタイズのプロとして、どうすれば広告効果が最大化できるのか、単価が最大化していくのかをお伝えしていきたいです。アプリを作る過程をお手伝いしながら一緒にわくわくしたい。ゲームアプリ業界を活性化できるようがんばっていきたいと思います。
- アイモバイル
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- からぽんゲームズ