SSPとDMPを融合したメディアの収益拡大化をはかるツール「Ad Generation」を提供しているスケールアウトは、アプリ開発者・企画者・マネタイズ担当者向けに10回目となる「アドジェネ ビールナイト」を2月24日に開催した。
今回のテーマは「長く使ってもらえるアプリになる!」。レシピ検索アプリ「クックパッド」を提供するクックパッド エンジニアの大野晋一氏、カレンダーアプリ「Lifebear」を提供するライフベア 取締役の増山康宏氏、家計簿アプリ「Zaim」を提供するZaim 執行役員の山崎瑠美氏の3名が登壇し、その秘訣を共有した。
「Lifebear」に学ぶ、愛されるアプリを作る秘訣
appFiguresの「App Stores Growth Accelerates in 2014」によると、2014年の延べ登録アプリ数はGoogle Playが約143万本、App Storeは約123万本、Amazon AppStoreは約29.3万本とされており、ちまたにアプリが溢れている状態といっても過言ではない。「愛されるアプリを作るために心がけるべきこと」と題したライフベアの増山氏の講演から、ユーザーに愛用してもらえるアプリをつくる秘訣を紹介しよう。
「Lifebear」は、日々の予定など気になることを一元管理できるカレンダーアプリ。紙の手帳を再現するコンセプトに基づいて作られており、iOS/Androidともにアプリの評価は高い。増山氏は、広告をはじめ、アプリ全体の品質管理を担っている。2012年7月末にリリースした『Lifebear』だが、当初は広告を入れていなかった。数か月後に広告を導入する際に、「誤タップはユーザーにとってストレスである」という認識のもと、一般的なフッターではなく、ヘッダーに広告枠を配置したという。
「『Lifebear』はフッターに様々な操作ボタンがあるため、フッターに広告枠を配置するとユーザーが広告を誤タップしてしまうのではないかという議論がありました。その結果、広告をヘッダーに配置することに決めました。いざ実装して、アプリのアップデートを行った結果、『見にくい』という低評価のレビューが出てきてしまいました。広告を入れるまでは、リリースしてから順調に良いレビューを積み重ねてきたのですが、ここで躓いてしまったのです」(増山氏)
一般的なアプリでは、広告枠はフッターに配置されていることが多い。誤タップを懸念してヘッダーに広告枠を設置したものの、ユーザーにとってはUIの違和感・圧迫感のストレスが大きく、そこに開発者とユーザーの気持ちのかい離が起きていた。その後、フッターに広告枠を移動したところ、高評価のレビューが再び付き始め、さらに広告の誤タップに対するクレームは0件だったという。
「この失敗のように、アプリ開発者の意図がユーザーに必ずしも伝わるわけではないのです。また一般的なUIを推奨するのと同様に、タップやスワイプ以外の動作も、ユーザーにとってはあまり一般的ではないので、あくまで補助的な使い方のほうがいいでしょう。ユーザーは何かを見た時に、無意識に何かを期待しています。その気持ちを裏切ってストレスを与えないように、広く一般的に浸透しているUIを意識することが大事です」(増山氏)
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