ネイティブアドの特徴を押えた上での、ディストリビューション戦略の設計を
コンテンツマーケティングと相性が良いネイティブアドの分類として、広告枠のデザインがコンテンツを期待させる「レコメンデーションウィジェット型」と「インフィード型」を紹介しました。ただし、この2つの形式もそれぞれ特徴があります。そしてIABによると、「インフィード型」はさらに3つのタイプに細分化されています。オウンドメディアがネイティブアドを利用する場合、外部に遷移する2つ目の「インフィード型」か「レコメンデーションウィジェット型」が主に対象となります。

ただ、国内において顕著ですが、インフィード型のネイティブアド・ネットワークはほとんどの場合、遷移先はコンテンツではなく通常の商品訴求LPやアプリストアへのリンクとなっています。一方で、「レコメンデーションウィジェット型」の場合、配信可否の判断基準に「コンテンツ性の有無」を設けていることが通常で、インフィード型のような非コンテンツと並ぶことはありません。こうした特徴を踏まえて、ネイティブアドを活用したディストリビューション・ルートを設計する必要があります。
タイアップ記事のブーストに、ネイティブアドを活用する
ここまではオウンドメディアを前提にご紹介しましたが、タイアップ記事を制作する際にもネイティブアドの活用は重要です。タイアップ記事は掲載メディア内での誘導枠が流入経路の殆どを占めており、タイアップ記事を掲載するメディアの読者が主な対象になります。総務省の統計によると平成25年末時点でのインターネット利用者人口は調査以来初めて1億人を突破しましたが、インターネットユーザーの嗜好の多様化により、マスにアプローチできるインターネットメディアは多くないのが現状です。
最近では広告主の期待するリーチを実現するため、タイアップ記事商品のオプションとしてネイティブアド・ネットワークからの誘導を組み込む、ブーストプランが用意されるケースが増えています。ブーストプラン活用の注意点としては、他媒体の読者を誘導するため、そのトラフィックの質(=コンテンツが読まれ、ブランドリフト等の効果が得られているか)が担保されるようコントロールすることが肝要です。
潜在顧客を引き付けるクリエイティブ
またネイティブアドを活用においては、誘導枠のクリエイティブも重要な要素です。ネイティブアドにおいては、クリエイティブの構成要素である「画像」「タイトル」の組み合わせがユーザーの興味喚起に大きく影響します。下の図は、popIn Discoveryで配信した一例です。

この結果から、性別やデバイスに関わらず最もユーザーの興味を引く黄金パターンがあることがわかります。配信前に黄金パターンが分かればベストですが、実務的にはいくつかのパターンを用意して実際のユーザーからの反応をもとに、低いCTRのパターンを停止するなど対処を行う必要があります。
ですが、ここで気をつけておきたいのは、CTRを重視しすぎると、いわゆる「釣りタイトル」になりがちということです。せっかくコンテンツで潜在ユーザーにリーチしたにも関わらず、騙されたと思われてしまっては本末転倒です。これを防止するには、やはり誘導したユーザーがコンテンツを読んでいるかを注視する必要があります。次回は、コンテンツが読まれているかの計測を含め、ネイティブアドを活用したコンテンツマーケティングの効果測定・KPI設計について解説していきます。